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全体
とても良い
映像
とても良い
キャラクター
とても良い
ストーリー
良い
音楽
とても良い

個人的に一生もののアニメの一つとなった作品。
きららアニメということでストーリーは易しめであっさりだが、キャラクターやエピソードを魅力的に描くため、原作者と打ち合わせの上で原作を細かく分解して再構成している。
目玉となる音楽とライブシーンの力の入れようは言うに及ばず、日常芝居やギャグシーンも細部へのこだわりと斬新なアイデアが盛り込まれていて飽きない。
個人的に、ライブシーンで力を入れるカットもコマ数を増やすのではなくモーションブラーで渋く見せる表現がとても好み。全体を通してのアニメーションも外連味に振りすぎておらず、日常芝居は実写の動きを参考に落ち着いた動きに仕上げているところが多い。キャラクターの体重移動など、細かい芝居にも余念がない。
製作の中核を担ったスタッフがみんなこの作品に情熱を注いでいるのがわかり、アニメ作りの熱量が感じられる。
主人公の後藤ひとりが抱える"コミュ障陰キャ"特有の悩みは共感しやすい部分も多く、それが妄想癖と奇行によってギャグに昇華されているところが魅力的。それだけに、最終回の「転がる岩、君に朝が降る」のカバーは彼女の生々しい苦悩や葛藤が表現されていて深く胸に刺さる。歌唱を担当した青山氏、ディレクションを行った岡村氏には脱帽。
アルバム「結束バンド」は未使用曲も含め素晴らしい出来で、アニメの挿入歌CDという先入観を捨てて聴いてほしい一枚。作品の背景を抜きにすると「カラカラ」が一番好き。
早くも二期の制作発表が待ち遠しいが、一方でこれだけのクオリティで仕上げるために制作に2〜3年は掛かっているということも容易に想像できるため、焦らずじっくり作ってほしいというのが正直な気持ち。



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