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サービス開始日: 2016-03-14 (3208日目)

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おそらくは2024年のベストアニメ。並びに、フル3DCGアニメとしては他のあらゆる作品を凌駕する傑作。
セルルックアニメの再現に腐心している昨今の3DCGアニメとは一線を画する、3DCGの強みを活かしたイラストルックアニメーション。コマ数も秒間24コマと滑らかで、ライブシーンの迫力あるカメラワークは必見。
楽曲にも熱が入っており、キャストは演奏・パフォーマンスを重視していながら声優としても表現豊か。
ストーリーは花田十輝氏オリジナル作品ならではの熱量とスピード感。時に狂気的なまでの暴力性を全て音楽にぶつける主人公の奇行は、しかし普遍的な苦悩を抱えているからこそ感情移入しやすい。ギャグとシリアスのバランスも絶妙。
不条理な現実に打ちのめされ、傷つきながらも戦う全ての人に向けた作品。
あらゆる観点で非の打ちどころのない怪作。



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原作がとても好きなためにアニメを厳し目で見てしまい、結果としてもイマイチだったイメージ。好みの部分を差し引けば、全観点が一段階引き上がる。
チェンソーマンという作品はシビアすぎる世界観とぶっ飛んでいるデンジのギャップが魅力だと思っているが、アニメ版のデンジは妙に生々しく描かれているため、ただただ"環境に恵まれない可哀想なやつ"という側面だけがクローズアップされてしまった印象。
作画のクオリティは常軌を逸しているが、スピード感が求められるシーンでも間延びしたカットが目立ったりと、素材の良さを活かせていない感じが強い。アクションシーンの3DCGもCG臭さが目立ってしまい手描きカットとの差が気になる。逆にローテンションな日常シーンは非常に満足度が高く、そこで手を抜かなかったことで作品の説得力が上がっていただけに他のネガティヴな要素が目についてしまった。
原作の異常にサクサク進むテンポ感も損なわれており、全体的にもったりとした印象がある。原作のテンポをそのままアニメ化したら一話あたりの内容が渋滞を起こして収拾がつかなくなることは必至だが、せめてギャグシーンはテンポ良くおバカにやってほしかった。
オープニングは楽曲・映像共に申し分ないクオリティ。本編よりもチェンソーマンらしかった。週替わりのエンディングも試みとしては面白かったが、途中何曲か似たり寄ったりの曲があったのが残念。気鋭の若手アーティストも複数名起用されているが、もう少しジャンルに幅が欲しかった。個人的に1話、3話のエンディングが好き。
アニメオリジナルのシーンは満足度が高かった。早川アキのモーニングルーティンや神社に護送される死刑囚のシーンは、原作の行間を補完してキャラクターの実在感をより高めてくれたと思う。
全体のクオリティは高いが、自分の中で原作を通して組み上がったチェンソーマンのイメージと乖離したものが出てきたため不満点が多かった。人に薦める場合はアニメではなく原作を薦める、そんな作品となった。



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個人的に一生もののアニメの一つとなった作品。
きららアニメということでストーリーは易しめであっさりだが、キャラクターやエピソードを魅力的に描くため、原作者と打ち合わせの上で原作を細かく分解して再構成している。
目玉となる音楽とライブシーンの力の入れようは言うに及ばず、日常芝居やギャグシーンも細部へのこだわりと斬新なアイデアが盛り込まれていて飽きない。
個人的に、ライブシーンで力を入れるカットもコマ数を増やすのではなくモーションブラーで渋く見せる表現がとても好み。全体を通してのアニメーションも外連味に振りすぎておらず、日常芝居は実写の動きを参考に落ち着いた動きに仕上げているところが多い。キャラクターの体重移動など、細かい芝居にも余念がない。
製作の中核を担ったスタッフがみんなこの作品に情熱を注いでいるのがわかり、アニメ作りの熱量が感じられる。
主人公の後藤ひとりが抱える"コミュ障陰キャ"特有の悩みは共感しやすい部分も多く、それが妄想癖と奇行によってギャグに昇華されているところが魅力的。それだけに、最終回の「転がる岩、君に朝が降る」のカバーは彼女の生々しい苦悩や葛藤が表現されていて深く胸に刺さる。歌唱を担当した青山氏、ディレクションを行った岡村氏には脱帽。
アルバム「結束バンド」は未使用曲も含め素晴らしい出来で、アニメの挿入歌CDという先入観を捨てて聴いてほしい一枚。作品の背景を抜きにすると「カラカラ」が一番好き。
早くも二期の制作発表が待ち遠しいが、一方でこれだけのクオリティで仕上げるために制作に2〜3年は掛かっているということも容易に想像できるため、焦らずじっくり作ってほしいというのが正直な気持ち。



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