15世紀のヨーロッパ某国。飛び級で大学への進学を認められた神童・ラファウ。
彼は周囲の期待に応え、当時最も重要とされていた神学を専攻すると宣言。
が、以前から熱心に打ち込んでいる天文への情熱は捨てられずにいた。
ある日、彼はフベルトという謎めいた学者と出会う。
異端思想に基づく禁忌に触れたため拷問を受け、投獄されていたというフベルト。
彼が研究していたのは、宇宙に関する衝撃的な「ある仮説」だった――。
代々全く知らない人と同じ思想というだけでつながっていき真実を命をかけて繋いでいくのが最高にかっこいい作品
地動説を唱えるほうが異端視されている中世ヨーロッパの話でその中でどのようにしてこの禁忌の研究を繋いでくかが息を呑む展開の数々に目を離すことができない。もちろん、この研究をしていって命を落とした人は確実に地動説に人生を捧げているが、ノヴァクは全員を追いかけて最初から最後までずっとこの地動説に人生を狂わされていた点を見るととてもいたたまれない気持ちになる。目の前で今まで信じていた世界をぶっ壊されたらそらブチギレるわけよ
ドゥラカの章までの流れがスムーズで、主人公はそれぞれキャラが違って魅力的。特にオクジーとバデーニのストーリーが好き。オクジーが生きることに積極的になっていき、自分の命よりも地動説の存続を望むようになるのに対して、当初は自分以外の人間に重きを置いていなかったバデーニが、オクジーが目の前で拷問されるのを見て地動説信仰を自白してしまうのが面白かった。知が与える希望と、そのためにどこまで命を捨てられるかの限界をうまく描いていたと思う。
チ。は最高のストーリーということを前提としても、アルベルトの章はもっと面白くできたような気がする。ドゥラカの章から完結までの間にワンクッション挟んだ感が拭えない。知に狂った人々を壮大に描いたにも関わらず、最終回で「疑いながら進み信じながら戻る」という単純とも言える信念を主人公言わせてしまったことは残念だった。もしその信念が作品の根本にあったとしても、それは視聴者が読み取るもので、わざわざ簡単な文章にしてラストまでの軌跡まで単純化する必要はなかったんじゃないかなとも思う。でもそれまでのストーリー運び、キャラクターがあまりに魅力的すぎたため最高の作品であることに変わりはない。
見続けるのに心の体力が必要な作品だが、見終えられてよかった。地動説を巡り異端を弾圧するものと、主人公が何度も変わり受け継がれながら、それでも伝え続けるもの達の壮絶な戦いが描かれる。あくまでフィクションであるが、ラストにあの本が出版されたという示唆と、現実とつながる余韻があった。地と血と知の3つのチを巡る物語だった。
傭兵上がりの異端審問官ノヴァク(CV:津田健次郎)の演技はよかった。R18だけあって拷問シーンに限らず色々グロ耐性が必要だが、死に際に最愛の娘ヨレンタの最後を察し、走馬灯の中のラファウと対話するシーンが印象深かった。
魚豊による本作品原作の次作になるマンガ「ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ」では陰謀論にのめり込む若者が描かれる。「チ。」では一つの考えだけが正しく他は異端として抑圧される世界が描かれたが、現代では情報は開放されつくされ、各々が自分の信じたいものを信じ対話の無い世界が描かれている。チ。と対になる作品と感じた。
音楽はOP 怪獣/サカナクションは作品を盛り上げる心に残る曲だった。
アニメーションはマッドハウス製作。天体の運動がテーマの作品だけあって星空はとても美しく描かれている。一方夜の場面は暗くキャラクターの動きが全く分からない程で、意図は分からなくもないが、やり過ぎと感じた。
・人々が大きな犠牲を払いながら地動説を繋いで行き、歴史上には残らなかった人々の想いが今の天文学の究極につながっているという、テーマが一貫していて素晴らしい作品
・主人公らしき人物はパートごとに変わっていくが、地動説と真理の追究に人は抗えないというこれ自体がまさにこの物語の主人公だったのかなという考察をしている
・映像の演出効果も凄まじく、人間の世界はまだ光に満ちていないためかなり暗く描かれており、天は鮮やかな眩さを放っていて美しかったのも素晴らしい
・これは持論だが、神父の頭頂部に円状で髪がないのは、人間は地に磔にされている(地を円とする)ことの暗喩だったりするのかなとか思いました
・グロ描写、話の重さはあるので人を選ぶ可能性はありますが、本当に良い作品なので是非観ていただきたい。
「ポトツキに利益の一割を贈与すること」から、アルベルト氏に本の題名が伝わることで”?”タウマゼインが伝播するラストが綺麗に終わっていて好き。
各時代の主人公たちが繋げてきた甲斐があったように思える。バデーニの論文がそのまま繋がるのではなく、学のないオクジーが考えた題名が伝わっているのが特にイイ…
大人ラファウはあくまで心理を探求する人々のアイコンなのだろうと解釈した。地動説を伝える感動のリレー!ではなく、そうした人々も悪役になりうるとすることで、ノヴァクの「俺が悪役~」の否定につながる。実際ノヴァクの妄想ラファウにもそう言わせているし。
時系列が先に進むにつれグラデーション的に現実に近づいていくのも伝記のようでイイ!
ひたすら画面が暗くて見づらいのはどうにかならなかったんですかね?そこだけが不満。
漫画も最高だったが、アニメはさらに最高。何度でも心揺さぶられる。
凄く考えさせられるアニメだった。
このアニメは他とは違う内容で凄かった。
あと、OPは神曲。
近年まれに見る超良作。キャストも最高だったし、ちゃんと原作の最後までアニメでも描き切ってるのも良い。
難しい説明もあったりするけど、アニメでとっつきやすくなってたんじゃないかな。
第一章の1~3話がやはり神。
最初このアニメが始まったとき、とんでもなく面白いものが始まったなと思ったが、終わってみれば佳作の域を出ることはなかった。
どうせフィクションならとことんフィクションを貫いて、パラレルワールドで地動説→天動説へのコペルニクス的転回(この世界ではコペルニクスではないと思うが)をダイナミックに見せてくれるかと思ったが、結局現実にリンクさせてあったかもしれない歴史物として落ち着いたのは自分としては残念。
グロい描写以外は大変良い。
#チ球の運動について
事前の予想からは想像もつかないようなストーリー展開だった。地動説が呪いのビデオと化して次々と犠牲者が出る・・・。異端審問官の執念がすさまじかった。娘の真相も知らずに終わるのもまたえぐい。ラストでお前か!?!? 「君らは歴史の登場人物じゃない」てなかなかメタな・・。歴史の影に記録に残らない無名の人々のすさまじいドラマがあった「かも」ってことなんかなー。音楽はOP/ED/劇中とも良かったけど,特に1期EDのヨルシカの曲が素晴らしか。