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とても良い

バレンタインを軸に商店街の愉快な様子や、たまこともち蔵のいかにも幼馴染みな交流が描かれるが、やはり注目すべきはみどりだろう。
みどりが思いを抱えていること自体ははっきりと言葉でも語られる一方で、その対象については決して語られない。ただ映像によって、例えばCM撮影時にたまこの手のハートマーク→みどりの瞳が揺れている姿、ここでは見ているもの→見ている人というカットの流れのパターンにより辛うじてその対象が示唆されている。終盤のCM放映シーンでみどりが一人だけたまこへ視線を向ける場面、ここでようやく一画面で関係性が確認ができることとなる。そうして振り返ってみれば最初のたまこがハートを描いていることへの固い反応も納得され、また翌朝の言葉が詰まりがちなみどりも(メタ的に言ってしまえばここでこの二人が描かれること自体も)十分に解釈することが可能となる。第一話のデラの分かりやすい「意識し始める」場面とは対照的に、決してそれが記号的に、「それ」として描かれはしないのである。だがやはりこの回の中心はみどりなのだ。網の目の様な地域コミュニティの関係の中でむしろ燦然と輝く関係性を浮き彫りにしており見事と言う他ない。



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