白タイツキャラリストに幼少時の朝日奈さみだれを追加。
願いを聞かれて「なにも」と答えるさみだれを見て鼻の奥がツーンと。ちっちゃい子が自分の未来に希望を持っていない姿を見るのはこたえる……。
今回の主役は風巻だけど、昴がかっこよくてもう!
戦闘シーンになると動きがぎこちなくなるのは相変わらず。南雲対インコマンは全然20秒に感じられないし、風巻の8体目の泥人形の砲撃は迫力がないし、炮軍・滅天陣は勝利の可能性を見出せるような威力ではないし、マイマクテリオンの「全力を存分に受け止め合えた」という台詞は「あれで?」って感じだし。総じて映像の説得力が不足しており、「台詞でこう言ってるってからそういうことにしておくか」と大目に見る必要がある。
概ね原作通りなので脚本に大きな問題はないのだが、物語を最低限成立させるだけの映像を演出が作れていない。当然原作の迫力や面白さには遠く及ばない。
概ね原作通りで可もなく不可もなし。動きも、よかったとは言い難いがいつもに比べれば粗が目立たなかったと思う。
夕日の帰省先にアニムスが現れてルールの変更を告げるシーンがカットされたのが大きな違いか。まあでも絶対にこのタイミングでないと不都合があるというシーンではないかな。
ロキの台詞「子供だものなァ 未来が欲しいに決まっておろうにな」の声の演技はよかった。そこだけは。
太陽のエピソードが台無しになったのは予想通り。太陽がどういう家庭環境なのかが大部分カットされたのだから、当然の帰結と言えよう。
太陽が家で露骨に邪魔者として扱われる原因はおそらく生まれたばかりの赤ん坊のせいで、太陽もそれはわかっていて、それでも赤ん坊を守って体を張るからこそ心を打たれるのに。
そして、太陽のことを見ようともしない両親と違って、太陽が戦う姿をちゃんと見ていて、その戦いに報い、「この子が初めて見た戦う男の姿がお前だ」(この台詞、本作で一、二を争うくらいお気に入り)と戦いに意味を持たせてくれる人(その人の名前が男性の中の女性性を意味するアニマというのがまた)がいる。
逆境をはねのけ、敵に立ち向かい、勝利し、美姫から祝福を得る。そんな神話の類型はいまどきはあまり好まれないのかもしれないけれど、太陽のような子供が英雄の道をたどる姿に、自分は強く心を揺さぶられずにはいられない。
今回かろうじて1カットだけ太陽の家族を描いたカットがあったけど、あれでは全然逆境具合が足りない。必然的に感動も小さくならざるを得ない。
あと、細かいことだが花子が太陽に電話したときの「それにほとんど即死だったから」という言い回しに違和感がある。ここの台詞は原作では「それにランスはすぐに消えちゃったから」だ。太朗のことを話すと電話口で涙ぐんでしまうような花子が「即死」のような直接的な言葉を選ぶだろうか、という違和感。尺もほとんど変わらないのに、この台詞を改変する意味がわからない。