完結編だけではなく、シリーズ全体についての感想になります。この作品の最大の魅力はキャラクターであると感じました。登場人物の数がかなり多いにも関わらず、全員にそれぞれ違う個性があり、その1人1人が丁寧に描かれています。メインキャラの掘り下げは勿論、サブキャラも1人あたり1〜2話を使って丁寧に掘り下げられていた他、全ての登場人物に印象深いセリフやシーンがあります。全63話という話数を最大限に活かしているといえるでしょう。とにかくキャラクターを大切にした話作りが行われていると感じました。ストーリーも非常に見応えがあります。シリアスな展開が多いですが、笑い所や一息つけるポイントも多く設けられていて見やすいです。分類としては恋愛モノに分類される作品ですが、キャラクター間の関係性は恋愛だけに限らず、家族・友達・兄弟など様々です。また、話の軸となる十二支の呪いに翻弄され、苦悩しつつも抗おうとする草摩家の面々と彼らと関わる主人公がしっかりと描かれています。単なる恋愛モノに収まらず、人間ドラマとして完成された作品であると感じました。