河合荘を舞台にして描かれる、個性的で強烈なキャラクター達の日常、キレと勢いの良いギャグが魅力の非常に面白い作品だった。まずこの作品はギャグがすごく面白い。下ネタ系のギャグが結構多かったけど、直球な下ネタ系のギャグだけでなく、巧みな言葉選び、冴えわたるワードセンスによって、下品なのにレベルが高いギャグが勢いよく、たたみかけるように次から次へと出てきてめちゃくちゃ面白かった。そういうギャグを出してくるキャラクター達も個性的だしすごく強烈で、インパクトがあるシーンが多かった。ギャグだけでなく、主人公の宇佐くんとヒロインの河合先輩の関係を見るっていう点でもすごく面白かった。本が大好きな河合先輩は、最初はそんなに表情を出してくるタイプではないのかなと思ったけど、庭でシャボン玉とか泥団子で遊んでる河合荘の住人達を見て羨ましそうにしたり、ホラー映画やムカデを怖がったり、宇佐くんとの関係についてからかわれて顔を赤くしたりと、意外と色々な表情を見せてくれるキャラクターで可愛いなと思った。主人公の宇佐くんは作中一の常識人で、個性的な河合荘の面々に振り回されてたけど、河合荘の面々がボケて、宇佐くんがツッコむ、これがこの作品の1番面白い部分だった。河合先輩に対して想いを寄せるキャラとして、人見知りの河合先輩を気づかったり、本を読みながら下校する河合先輩に付き添ったり、面倒見の良い人物としての面もよく描かれてた。河合先輩の方も少しずつ宇佐くんのことを意識しているような描写があって、ちょっとずつ二人の仲が深まっていく様子を楽しむ、ラブコメとしての面白さもこの作品にはあった。二人の関係が今後どういう風に変化してくのか、そして賑やかで楽しげで、面白い河合荘での日常がまた見たいなと思う。