Annictサポーターになると広告を非表示にできます。
全体
とても良い
映像
とても良い
キャラクター
とても良い
ストーリー
良い
音楽
とても良い

(※後半部分で多少マイナスな表現を含みます)キャラクター1人1人の揺れ動く、そしてかなり複雑な心情を1つ1つ丁寧に、どれ1つとして蔑ろにすることなく描いていた作品だった。キャラクター達の悩みや葛藤、関係性の変化に重点を置き、衝突やすれ違い、時には失恋さえも描いていて、ギャグも少なくかなりシリアスな内容だった。雰囲気も比較的暗めで、音楽や演出面においても全体的に儚さや切なさが強く前面に出されている印象を受けた。元々のストーリーがしっとりしたものではあるけど、音楽や演出もその雰囲気をより強めて、見てるこちらの胸を締め付けてくるようだった。けどそういう演出は嫌いじゃない。作画や声優さんの演技もレベルが高いと思ったし、アニメ作品としてかなり良く出来ている作品だったと思う。けど、個人的にはあまり好きにはなれない部分があった。その理由は、言ってしまえば自分があまり好きじゃない展開が描かれたからだから、完全に好き嫌いの問題だし、仕方ないことだと思う。まず、自分はアニメ作品において、1度恋愛関係になった主人公とヒロインがその後に別れるという展開はなるべく描いて欲しくない。最終的にまた恋愛関係に戻るのであればギリギリ許容できるけど、この作品は、1度主人公の眞一郎とヒロインの1人である乃絵が恋愛関係になったにも関わらず、その後に別れ、最終的にはもう1人のヒロインである比呂美と恋愛関係になった。眞一郎が元々比呂美に対して想いを寄せていたことは見てれば分かるから、乃絵と付き合い始めた時にいずれ別れてしまう可能性があることは分かってた。けどやっぱり最終的に比呂美と付き合うなら、1度乃絵と恋愛関係になるっていう段階は踏まず、別の形でストーリーを展開して欲しかったなと思う。もう1つ好きになれなかった部分は、眞一郎と乃絵の関係が最終回後にどうなったのか明確に描かれなかったこと。これも好き嫌いの話になってしまうけど、自分は恋が報われなかったヒロイン(所謂負けヒロイン)であっても、主人公と疎遠になって欲しくない。現実の恋愛ではこれはよくあることだけど、アニメはあくまでエンターテイメントだから、現実ではうまくいかないようなことでも、なるべく前向きな形で描いてほしいと思ってる。勝った負けた関係なく、主人公とヒロイン達にはずっと仲良くしててほしいと思ってる。この作品で眞一郎と乃絵が最終回後にどういう関係になったかは分からない。友達として仲良くしてるのかもしれないけど、疎遠になり関係が薄くなってしまった可能性もある。色々と解釈や想像の余地を残して終わるのは悪いことではないと思うけど、今回は描いてほしかった。そこら辺がはっきり描かれなかったから、どうしてもモヤモヤが残ってしまった。けど、上に連連と書いた感想は、あくまで自分個人の好みや望んでいたものではなかったから好きになれなかったというだけの話で、繰り返しになるけどこの作品はアニメとしての出来はすごく良いし、ストーリーも面白かった。見て後悔はない。個人的にモヤモヤが残ってしまう結果になってしまったというだけで、作品全体を通じてキャラクター達は成長したし、1人1人前を向いて進んでいくという、希望が持てる終わり方だった。素晴らしい作品であることには変わりないと思う。



Loading...