ゲーム制作の舞台、作中で言う所の「荒野」に身を投じた高校生を描いたとても面白い作品だった。ストーリーは、基本的にはコミカルな場面が多く、ギャグの内容は勿論、会話も面白いしテンポも良かった。けどコミカルな部分だけじゃなく、ゲームの完成度に対するメンバー1人1人のこだわりや自分の能力に対する葛藤や悔しさ、メンバー同士の対立など、ゲーム制作の過程において生じる様々な困難についてもしっかり描いていた。そういう困難に直面し、特に終盤は1度メンバーがバラバラになる事態も起きたけど、それでも1人1人のゲームへの思いや「六波羅」の絆で乗り越えていて、その時はすごく感動した。六波羅のメンバーは皆個性的で楽しかった。主人公の文太郎は、性格良くてコミュニケーション能力も優れてる好青年で、それまでやりたいことがなかった中でゲーム制作に挑んでいた。シナリオの息詰まりとかもあったけどそれでも頑張っていたし、ゲーム制作や六波羅に対しての強い思いを感じ取ることができた。ヒロインの黒田さんはゲーム制作の発案者で、結構ズレた部分もあったけど仲間とのゲーム制作を楽しんでいたり、嬉しい時に1人で喜んでいる所とかすごく可愛かった。他にも、ハイテンションのムードメーカー、けど声優担当として自分の仕事には強いこだわりを持ってた有夏、まとも枠だと思いきや恋愛の話になると暴走する亜登夢、同じく比較的まとも枠かと思いきや絵を描いている時に時々変なことを言ううぐいす、メンバーとの衝突も多かったけど自分なりにゲームに対してこだわりを持っていたテルハ、6人それぞれが個性的なキャラだった。この6人のゲーム制作の日々とそれに対する熱い思い、そして六波羅としての絆を楽しむことができる面白いアニメだった。