見る前はもっとドロドロしてて空気も重めの作品だと思ってて結構心の準備をして身構えてから見始めたけど、実際はコメディ要素も少なからずありつつ、不倫とか生徒×教師の恋愛とか割と踏み込んだ所まで描いてはいたけど、不思議とドロドロとかは少なくとも自分はそれ程感じなくて、けどすごく見応えがあって面白かった。主人公の夏生と、親の再婚によって夏生の家族になった教師の陽菜と妹の瑠衣、3人の三角関係が主軸として描かれた作品で、特に前半は陽菜の不倫、後半は夏生と陽菜による生徒×教師の禁断の恋愛関係という点で、少年マンガが原作の作品としてはかなり踏み込んだ所まで描いたなと思う。基本的にラブコメではあるんだけど、所々で大人の恋愛のような面にも触れた作品だった。メインの3人は恋愛で三角関係になっていた他、血の繋がりはないものの家族であり、さらには夏生と陽菜は生徒と教師といつ関係でもあったから、普通の恋愛とは違うかなり複雑な環境だったし、そのことで悩む場面も多かった。主人公の夏生は陽菜が対して強く想いを寄せていて、陽菜が不倫してることを知ってショックを受けたり、柏原ももと体の関係を持って逃げようとしたりと年相応に悩み、弱さを見せる場面も多かったけど、本人は陽菜のことが本気で愛していたし、浅はかな部分こそあったけど陽菜との未来を見据えていたり、陽菜と別れた後もその辛さを糧に小説を書き上げたりと、ひたむきで彼なりに一生懸命頑張ってるキャラだった。瑠衣やももとか他のキャラにも優しさを見せる人物だった。陽菜は教師という立場でありながら、かつての自分の先生であり初恋の相手だった萩原との不倫関係や夏生との恋愛関係など、大人としての立場と、想い人に対して向ける強い感情の間で揺れるキャラだった。不倫や生徒との恋愛など、普通なら中々許されないような関係に身を投じたわけだけど、それだけ想い人への愛が強かったということだと思う。瑠衣は最初に夏生の肉体関係を持ち、家族になった後は学校での悩みや陽菜の不倫に夏生と共に向き合う中で少しずつ夏生への想いを強くしていった。夏生と陽菜の関係を知った時のシーンは挿入歌もあってすごく切ないシーンだったけど、最終回で夏生と陽菜が離れ離れになった後は陽菜に遠慮しないことを宣言、瑠衣の恋愛が本当に始まったのは最終回からと言うこともできるんじゃないかと思う。禁断の三角関係というかなり踏み込んだ部分まで描きながら、コメディ要素も盛り込み、シリアスではあるけど重くなり過ぎないラブコメ作品としてうまく構成されていた作品だった。まだまだここからが物語の本番のようにも思えるから続きが見たい。