今までの3クール以上に様々なことが起きた怒涛の章だった。シルフィとの結婚生活から始まり、ノルン&アイシャとの再会、ゼニス救出のために迷宮探索、パウロの死、ロキシーとの再会そして結婚、内容が凝縮された非常に見応えのある、面白い1クールだった。序盤のルーデウスとシルフィの結婚生活は、とにかく幸せいっぱいで癒やされたし、見ていてこっちも幸福な気持ちになることができた。ルーデウスとシルフィがいかに互いのことを愛し、大切にしてるのかってことが伝わってきてとても良かった。加えて、2人の結婚を祝福するザノバやアリエル王女たち魔法大学の学友との絆が分かるような場面も多くてとても良かった。結婚編の後は、ノルン&アイシャと再会して一緒に住むことになり、ノルンとルーデウスとの関係にもスポットが当てられた。物心つく前に転移事件で離れ離れになり、その後成長して再び出会った時はルーデウスとパウロの親子喧嘩の場面だったから、ノルンがルーデウスにあまり良い感情を抱いていなかったことは理解できる。それ故にルーデウスにも最初は心を開けていなかった。そんなノルンにも兄として向き合い、悩みながらも支えようと頑張るルーデウスの姿にもとても感動した。後半はゼニス救出を目指した迷宮編に突入。2クール目前半はキャラクター同士の人間関係に焦点を当てたドラマが中心ではあったけど、後半はそ迷宮内での戦闘シーンも加わり、より緊迫感のある章になった。ヒュドラとの戦いは過去最高クラスと言っても過言じゃないレベルの神作画ですごくワクワクした。けどこのヒュドラとの戦いで、ルーデウスの父パウロが死亡した。1期からルーデウスとパウロの関係は比較的丁寧に描かれていた。ルーデウスは前世の記憶があり、加えてその前世ではパウロより歳上だったこともあって、パウロを父親だとは思いつつも、一方でただ純粋に父親として見ていただけではなかったように思える。幼少期のやり取りだったり、親子喧嘩をしたり、迷宮探索中のやり取りからも分かるように、父と子としての絆は確かにあったけど、心理的な距離が少しだけあったんじゃないかと思う。けど少なくとも作中の世界においてはパウロはルーデウスの父親だったし、ルーデウスもそう思っていた。だからパウロの死であれ程憔悴し、もしロキシーがいなかったら立ち直れなかっただろうという所まで絶望していた。パウロの方も女癖が悪かったり、若さ故に少し浅はかな部分があったり、子どもっぽい所もあったり、欠点が描写される時が多かった。けどそれだけじゃなく、転移事件で離散した家族を必死で探したり、ルーデウスとのやり取りや絆だったりと、家族の長として、そして父親として本人なりに悩み、向き合うとする姿もしっかりと描かれたし、その姿勢が伝わっていたからこそ、ルーデウスや家族に愛されていたんだと思う。最期はヒュドラの攻撃からルーデウスを庇って死亡した。死に際に言葉を交わすことはできなかったけど、ルーデウスの無事を確認し、わずかに微笑みながら逝った。それが救いになったんじゃないかと思う。パウロは欠点も多く、決して完璧な父親ではなかった。けど紛れもなくルーデウス達の父親だったし、その姿は、父親になったルーデウスに間違いなく影響を与えると思う。作中世界におけるルーデウスの今後の人生に大きな影響を与える重要人物だったことは間違いないと思う。そして2期最後に描かれたのはルーデウスとロキシーと婚約。妻が2人なるわけだからいわゆるハーレム展開にも含まれるかもしれないけど、それに至るまでのルーデウスの苦悩、ロキシーの苦悩がそれぞれしっかりと描かれたし、シルフィもロキシーも必ず幸せにするというルーデウスの強い覚悟も感じられた。見る人によっては抵抗があるかもしれないけど、個人的には、描き方も丁寧だったしこの展開は全然アリだと思う。そしてロキシーを温かく迎え入れるシルフィの姿は聖母のようで美しかった。本当にルーデウスは良い人に出会えたな思う。2人の女性との結婚、父との死別、そして子どもの誕生、2期2クール目はルーデウスの人生の節目になるような出来事が沢山起きたけど、どれ1つとして疎かにせず丁寧に描いていた素晴らしい作品だった。これからも色々なことが起こると思うけど、きっとルーデウス達は乗り越えていけるだろうと思う。今後はどんな展開が待っているのか、3期を楽しみにしてる。