Annictサポーターになると広告を非表示にできます。
全体
とても良い
映像
とても良い
キャラクター
とても良い
ストーリー
とても良い
音楽
とても良い

この作品にしかない、この作品でしか楽しむことができないような、そんな唯一無二の空気感があった素晴らしい作品だった。この作品はとにかく様々な要素の「表現」がとにかく天才的だった。義理の兄妹となった浅村くんと綾瀬さんの心情や関係性の変化、浅村家の日常生活の様子、作品の世界観やストーリーを構成する様々な要素を実に多彩な形で表現していた。浅村くんや綾瀬さんなどキャラクターの心情や関係性の変化については、モノローグだけでなく、言葉ではなく心象風景を使ったり、表情や声のトーンの変化・違い、会話の時の間の取り方を利用したり、手やつま先など体の一部の繊細な動きを描写したりと、とにかく多種多様な表現方法が用いられていて見事だと思った。こういう表現の方法があるのか、こうやっても表現できるんだと、視聴していて何回も思った。浅村家の日常生活・風景の描写に関しても、他の作品では中々描かないような細かい部分まですごく丁寧に描写していた。1話で引っ越してきたばかりで玄関の電気の位置が分からずに色々とボタンを押して試してみる綾瀬さんの描写とか、朝食の際にインスタントの味噌汁を作る浅村くんの様子とか、とにかく日常の要素を徹底して突き詰めて、丁寧に描こうという意気込みが感じられた。作中全体を通じてかなり静かで穏やかな雰囲気で、家族の様子を描いてる際にbgmが少なかったように思えるけど、それも日常生活の様子を丁寧にリアルに近い形で描くための演出の1つだったのかなと思う。浅村くんと綾瀬さんのキャラもすごく魅力的だった。それまでの家庭環境や両親の別離という背景もあって、2人とも高校生とは思えない位しっかりしていて、大人びていた。けど、大人にならざるを得ない環境で育ってきたからこその2人の未熟さとかも描かれていて、2人がお互いを異性として、そして兄妹・家族として、どのように関わっていくのか、そういう人間ドラマ的な部分がしっかり描かれていたし、多彩な演出・表現の中で描かれたそのようなストーリーがすごく見応えがあった。どのような点においても、中途半端にならずに「表現」することを追求した素晴らしい作品だったと思う。



Loading...