ギャグ多めで進みつつ、回を追うごとに恋愛面でもどんどん面白く、盛り上がりを見せてくれた作品だった。
自己肯定感の低さ故に自分が恋愛イベントの当事者になるなんて思ってもいない、他の人に誤解されて迷惑をかけたくないという一心で、恋愛イベントのフラグを悉く折っていく田端とその心の中でのリアクションが面白くて、じれったいと思いながらも楽しんでみることができた。最後まで中々そういう部分は変わらなかったけど、最終回でしっかり陽介くんが好きだと言えたことこそ大きな進歩だと思う。
もう1人のヒロイン・鶯谷さんも良いキャラだった。外面が良くて腹黒なキャラではあるけど、田端を陥れたりいじめたりということがなく、ライバルだけど何だかんだ気にかけて助けてしまう、そんな根っこの優しさが垣間見えるキャラだった。負けヒロインではあったけど、本人が田端がライバルで良かったと思っているのと同じように、鶯谷さんが田端のライバルで良かったと思う。
恋愛部分では主に好きになる過程は陽介くんの側を中心に描かれていたけど、恋愛ごとには疎かった陽介くんが田端を好きになるまでが丁寧に描かれていた。陽介くんに限ったことではないけど、陽介くんも他のキャラも不器用なりに頑張っている姿がとても良かった。
最終回のヒロインを追いかける男子キャラという王道ラブコメらしい展開とタイトル回収のコンボは素晴らしかった。大団円を迎えられてとても良かった。これからの2人の恋愛模様を楽しみにしてる。