作品名の通り、不器用な鉄輪先輩がどこまでも可愛らしく、鉄輪先輩と亀川くんのやり取りが微笑ましくて癒される作品だった。
恋愛に限らず人付き合い全般に不器用な鉄輪先輩が、後輩である亀川くんに対し頼れる先輩として振舞おうとしながら、中々上手くいかずに空回りしている所に、作品名の通りの不器用さを感じられてとても可愛かった。あらゆる場面で空回りしていたわけではなく、時には先輩として亀川くんの手本になるような姿を見せたり、亀川くんのことを気遣う場面も多くて、頼れる先輩としての一面もしっかりと描写されていた。亀川くんはとても好青年で、鉄輪先輩のことをよく見ており、心から尊敬していることが分かる描写が多かった。鉄輪先輩と亀川くんが話が進むにつれてお互いを強く意識するようになり、それに応じて照れたりする場面も増えて、2人のそんな様子がとても初々しくて微笑ましかった。先輩と部下という関係性から始まり、後半では友達になり、最終回ではデーティング期間で一応お試しの恋人関係になり、段階を踏んでゆっくりと関係を深めていくところに2人らしさを感じた。
最終回では、お試しの恋人関係とはいえムードのある冬のデートの様子を描いてくれて、初々しくも手を繋ぐ描写など、それまで描かれた2人の関係性のひとまずの区切り、そして本当の恋人関係になるまでの始まりとしてとても良い終わり方だった。この先の2人の様子がまた見れたら良いなと思う。