TVシリーズの最終回に不満があったのもあって、あまり期待せずに見たのだけれど、結果的にすごく面白かった。話的にはTVシリーズからの続きで、劇場版としてやる意義はいまいちわからなかったけれど、全キャラが登場するような勢いは劇場版らしい?
TVシリーズと同様、SFとしてはツッコミどころがあるというか、ガバガバなんだろうけど、やはり感情面で揺さぶってくる強さがすごい。気づけば咲太目線で物語を追っている。
牧之原さんの思春期症候群がネタばらしされた後、牧之原さんか、麻衣さんか、どちらを選ぶのかというエピソードなのねー、と思っていたら、まさか麻衣さんが……。予想外の展開で、さすがに驚いた。
桜島麻衣、やはり「強い」ヒロインだと感じた。さすがメインヒロイン。彼女がメインのエピソードではないけれど、その存在感を増したように思った。咲太への思いは一番強い。そのまっすぐさが魅力。
そして、本作品のヒロイン、牧之原翔子。大人バージョンの包み込むようなやさしさ。どこか儚げな雰囲気。TVシリーズでは不思議なキャラという印象しかなかったけれど、とても魅力的なヒロインだった。
すべてを知っていながら、周りの人間を巻き込まないようにと、彼女が選んだもの。強くて、やさしい。
最後、彼女がどうやって「未来」をつかみ取ったかは描かれなかったけれど、消えてしまっていなくてホッとした。ご都合主義と言われるかもしれないけれど、あの海岸で、咲太と再会したシーンはグッと来た。本当によかった……。