個人的にはこういう回かなり好き。A・ZU・NA結成までの流れをやりつつ、栞子、ミア・ランジュの話も並行して進めていく。1話からの全体の構成のなかで緩急をつけるためにゆるい展開を主体としつつ、5話単体のなかでも緩急がつけられている。
今回の急所はランジュから見た侑。ミアとNSNMの動画を見て、侑のポテンシャルの高さを感じ、よりいっそう「なぜ同好会にかまけ、音楽に集中しないのか?」という思いが募る。
侑のなかにも考えはあるようで、侑と歩夢の観覧車シーンでも言及されていたように、いずれ何らかの形でこの問いに対する答えが出てくるものと思われる。2期の大きなテーマのひとつ。
また、A・ZU・NAそれぞれのメンバーの描写も興味深い。歩夢は、1期11,12話を経てファンから見られる自分を意識できるようになり、観覧車シーンでは、ユニットでやっている姿をファンのみんなに見せてみたい、という前向きなコメントがあった。侑を追跡してやきもちを焼くなど、今までと変わらない歩夢らしさはありつつ、1期を経て変化した部分も感じられる。
しずくは、1期8話で演じる自分とほんとうの自分との間での葛藤を経験したが、今回は歩夢とせつ菜の様子から、型通りの役を演じるだけでなく、自由にやっていい、という新たな視点を手に入れたようだった。ストーリーを作るのが得意なしずくは、自分のことも、さらには他者のことも、役割にあてはめて考えがちなのかもしれないが、時にはそういう固定された役割を取り払っていい。
せつ菜と菜々の二重生活については、やはりA・ZU・NA回で決着がつくようだ。休日中も2つの役割をさっと切り替えられるせつ菜だが、せつ菜=菜々であることに気づいた栞子が次回どう動いてくるか気になるところ。次回のタイトルが「大好きの選択を」、ということで、せつ菜が何らかの決断を迫られることになるかもしれない。