ジャンプコミックス18巻収録分。
魔王軍に防戦一方だった人間たちが、世界会議を通じて団結して攻勢に転じる。
造船はベンガーナ国王クルテマッカVII世の全面出資によるものとのこと、原作にはこうした背景の補足が少しある。ベンガーナ王を説得したのはレオナであり、レオナが「アバンの書」を読んで起こした行動が、巡りめぐって形になったものという一面もあり。
「この戦いは全員で戦うんだ…!!」
ポップとダイが口裏を合わせていたわけでもないのだけど、ふたりが出発の前に思い出したのもその「アバンの書」だった。
「正義なき力は無力」と、アバンはマァムに言ったことがある。強大な大魔王を相手にするなら、修業で得た力と精神性、その両方を持って立ち向かわなければいけない。
その中心にあるもの、今は「アバンの書」。皆が出発の前に、精神面でのルーツを再確認するシーンには意味がある。
ところで、バランとキルバーンの一騎打ちもみどころ。
キルバーンは大魔王の真意を語ったけど、地上を滅ぼす目的がキルバーンと大魔王とでは微妙に異なっている様にもみえる。
バランが「死神の笛」の機能に気付いたことを思わせるカットもあったけど、効かなかったのは竜闘気で耳を塞いだからだろうか。