ジャンプコミックス、22〜23巻収録分。
23巻表紙裏コメントは稲田先生で、多忙で髪が伸び放題という日常の話題。
以下、先の展開のネタバレ要素あり。
「今のはメラゾーマではない、メラだ」
「大魔王からは逃げられない」
ダイ大を代表する成句がこの回にふたつもw
大魔王の圧倒的戦力の描写は見どころたくさんだけど、「正義」論がこの回最大の見どころと思う。
大魔王の暴力で従わせる態度を非難したマァムに対し、その正義も結局は神々という大いなる力によって守られていると論破した大魔王。「それを正義と言うのなら、我らの力もまた正義」という原作にない台詞が補われている。「そこまで言わなくても分かる」とも思うけどw、ともあれ、わかりやすくなってるのは確か。
同意や共感の余地があるかどうかは別の話として、少なくとも動機が「理解できる」ことは最低でも敵役に求めたいと、受け手として常々思っている。
では、大魔王の「太陽を我が手に」という動機はどうか。「正義」という価値観も神々の押し付けに過ぎず、結局は力に支えられているだけであるという矛盾への問題提起が動機の本質であると受け取れるが、どうだろう。
「力が正義」であることは、ある意味では受け入れざるを得ない真理だけど、ここはダイが「おまえは絶対にまちがってる」と断固認めない、とても熱量が高いシーン。ここでダイが見せた魂もそうした力の一つであることを、大魔王も認めた。
そうであれば、アバンがかつて言った「正義なき力は無力」という言葉が大魔王攻略の精神面での突破口となりそうなところ。
一方ポップ。大魔王から持論を聞かされて、「スケールが違いすぎる」と一旦は凹まされるが。
のちに人間らしさや人々の営みを「閃光のように」と表現し、人間は卑小な存在では断じてないと真っ向から対抗する。このとても力強い矜持は、今日のこの場面に由来していそう。