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ぷーざ
@pooza

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とても良い

ジャンプコミックス36巻収録分。

「ぼくのトモダチになってよ…!!」
幼いダイの神々しい台詞に、全てを持っていかれた。この様な安易な表現を使いたくはないが、まぎれもない涙腺決壊回である。
最終決戦の真っ最中、言わば決着の直前にこの様な情緒あるエピソードが挿入されるのがダイ大の懐の広さ。ジャンプらしいバトル漫画でる一方、この懐の広さでは他作品と一線を画する。
また、この回の演出スタッフとして、タナカリオンこと田中裕太氏をお迎えしたことを喜びたい。同氏はプリキュアファンなら知らぬ者のない、東映のエース演出家だ。(演出家の枠には収まらず、監督としてもいくつもの良作を手がけている)

それにしてもゴメちゃんの正体や真相が、これほどのドラマを生み出すことを初見では全く想像できなかった。
というのも、ゴメちゃんがごく普通のマスコットキャラであり、正体に特に秘密などがなくとも、物語として特に不自然なところはなかったから。ゴールデンメタルスライムという希少種はいてもおかしくないし、その程度に特別な設定もご都合主義にはあたらない。

ゴメちゃんは自分の正体である「神の涙」について、「地上の力なき生物たちの苦しみを嘆いた神々が、地上に落とした一粒の涙」であるという伝説を語った。
大魔王や冥竜王は地上や太陽といった豊かな創造物を、脆弱な人間に対してのみ与えた神々のことが許せなかったという。「神の涙」は言わば、その贔屓へのさらなる上乗せであり、大魔王にとってゴメちゃんは憎悪の対象でしかないだろう。
ゴメちゃんを文字通りにモノであるかの様に、ぽんぽんと弄んでいた描写からも(アニメオリジナルのシーンだけど、この描写はタナカリオン采配なのかも)、少なくとも愛情は持っていないことがわかる。

しかし、自ら善悪を判断して「トモダチになってよ」というあまりに純粋な願いを叶えたゴメちゃん(こと「神の涙」)や、その「神の涙」を創造した神々の本質が悪であろうはずがないとも思う。
神々は本当に大魔王が言う様な、理不尽で許し難い存在だったのか?自分たちに太陽が与えられなかったことは、確かに許せることではあるまい。その答えは、「では結局、太陽とは何だったのか?」という疑問と共に答えられるかもしれない。

ポップがカイザーフェニックスを魔法力で切り裂く、原作でも大好きだったシーン。ここは恐らくタナカリオン氏により、原作以上に見ごたえあるアクションシーンへと魔改造されている。
自分はこの名前のない技を、ストレートに「神業」と呼んでいる。恐らく、メドローア以上に難度の高い技術であると想像して。
別の場所で話したことがあるけど、この「神業」から更に想像できることがいくつかある。以下、その想像というか妄想。

  • 大魔王は、両手から別々の呪文を放つことがどうやら出来ない。(これを行ったポップを「器用」と評したことがある)
  • この技術はメドローアの基礎であると考えられるけど、大魔王の桁違いの魔力の量はともかく、技術的にはポップやマトリフに及ばない。
  • カイザーフェニックスはメラゾーマにすぎない。ポップはカイザーフェニックス以外のメラゾーマも同様に裂くごとができる。
  • メラとヒャドは本質的には同じ呪文。ポップは、自分に向けられたヒャドも同様に裂くことができる。


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