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全体
とても良い
映像
とても良い
キャラクター
良い
ストーリー
とても良い
音楽
良い

「すずむの戸締まり」視聴終了
評価S(神作品)

キャッチコピーが「行ってきます。」か。なるほどなぁ…

3月11日のあの災害を軸として、すごくメッセージ性の強い作品でした。自分が東北出身じゃなく、かつ知り合いも被害に遭ってない他人事状態だから楽しめたというのもあるかもしれない。それくらい、当事者じゃない自分の心にも来た映画。

各地で戸締まりしていく過程で聞いた土地の人たちの声。それを耳にしながら戸締まりしていく。でも決してその声をただ封じているだけではない。その思いを活かしながら「再建」していくという構図が見事だった。

そして一番の軸となるのは主人公の鈴芽の成長。母親の死亡を心のどこかで受け入れられずに封印していた記憶に、再び会いに行く。母との思い出、さまざまな挨拶が飛び交うあの日の朝、たくさんの楽しかった記憶を思い返しながら、今はそれと決別する。そして出てくる言葉「行ってきます。」。各地の戸締まりをしていく中で、自分の気持ちも整理して戸締まりできた鈴芽の成長は本当に見応えあった。

あと自分が驚いたのは、おばさんの涙。受け入れる側の苦悩も描くのか…と心が抉られました。あのシーンはマジで辛かった。
でもモヤモヤをぶつけることで、二人の間にあった壁が一つ取り除かれたようにも思う。最後の自転車二人乗りシーンほんと良い。

ラブコメ要素がなんか唐突だったり、ダイジンたちの気持ちがイマイチ分かりづらいといった「ん?」となる点はいくらかあったけど、それを払拭するぐらいに良い点がすごく良かった。

アニメーションに関しても天下一品。もう開始10分から引き込まれる。映画の大事な要素である「話への引き込み」というのを、圧倒的な作画力で解決してくるのはもう脱帽。今日本で一番すごいアニメーションを描けるグループかもしれない。

いや〜…新海誠監督凄すぎる。個人的には、最後がご都合ハッピーエンドだった点で天気の子には若干劣るが、それでも文句なしに今年一番の映画だと言い切れる。特典の本も素晴らしいので是非劇場で見てほしい



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