まさかこんなアニメになるとは…。ボウリングの部活もので12話持つのかと思っていたら、もうそんな次元じゃなかった。
またすごいトンチキアニメが来たと最初は笑っていた。ボウリングを武器に転生して何をするんだよ…?と思ったら、まさか球を転がして物理攻撃するとは。てっきり能力とかで倒すのかと思いきや、ちゃんと現実的にボウリングを絡めてくるから、絵面がシュールすぎて笑った。最終回のボウリング勝負への流れも、あまりにも無理やりで笑っていた。そんな無理やりさが魅力の、ニコ動のコメント付きで楽しむネタ枠かと最初は思っていた。
ただ、6話、7話から雰囲気が変わった。特に7話。ここで急に脚本での面白さを見せつけてきてびっくりした。各キャラが転生先の人と仲良くなる展開があるんだけど、それがそれぞれのバックボーンとも一致していてほんと面白かった。7話の七瀬の話は、「残されたものの気持ち」というテーマを見事に描いていた。各話にテーマがあって、何をやりたいのかが明確に伝わってきた。あと、セリフも結構良かった。「生きていたらさ、それでも生きてたら、なんでかまた来ちゃうんだよね。あー、楽しいなって時がさ」。ずしりと心に響くセリフがほかにも多々あり、話としてもすごく印象に残った。
そして何より最終回の大団円。ボウリングである必要がないと言っている人がいたが、そんな人はもう一回見直してみてほしい。Turkeyからのスネークアイになる流れを、まさかここで回収するとは思わないじゃん。みんな一緒に連れていく→ピンを人質にして全員を救出する展開にする、今までTurkey以降は結果が落ち込んだ→勝ってしまったら、喜んでくれる人がいないことを見せつけられるから。でも今は喜んでくれる人がいる。今までの伏線をここで回収してくるかと感心してしまったよ。これはボウリングをテーマにしていたからこそできた脚本だと思うよ。女子高生がただ転生するだけだったら、最終回の感動は味わえなかった。
というわけで、トンチキアニメかと思いきや、各キャラのバックボーンを絡めた話も面白く、セリフも良くて、最後見終わったあとに満足感を与えてくれる。オリアニならではの勢いにプラスして、やりたいことをしっかり芯に持っており描き切った。素晴らしい作品だった。まさかここまでハマるとは思わなかったです。やはりオリアニは良い。
関係あるかわかんないけど、脚本の人はもめんたりーリリィにも携わっている人だったな。あれも、展開はめちゃくちゃだが、面白い要素を詰め込んでくれて、何がやりたいのか熱意は明確に伝わってくる作品だった。こういう愛がある作品大好きです。