「劇場版 チェンソーマン レゼ篇」視聴終了
評価S(神作品)
とんでもない作品を見た。ここ数年で一番だったかな。見終わった後に放心状態になったのは、レヴュスタ以来かな。いやはやすごかった。
アニメーションの出来は、今まで見てきた作品の中で一番だったかな。単に派手なバトルや繊細な線、色彩とかではなく、静かなシーンを際立たせる演出、およびその緩急、これこそが演出の神髄。突如目の前に現れたレゼという少女の魅力をここまでもかってくらい惹きだしてくれていた。
前半でのマキマさんとの映画デートを描いて、マキマさんの魅力を再確認させてくれた後に、レゼの男を殺す距離感と、その奥から醸し出される色気。電話ボックスでの出会いから、カフェでの勉強シーン、そしてプールの飛び込みまで、レゼに魅了されていくデンジの描写が神がかっていた。その神がかった描写ができたのは間違いなく、音響、構図、場面作り、その他もろもろ演出のおかげ。夜の学校という特別な場所を、繊細な音や目を惹く色彩で際立たせてくれた。レゼが教室を後にするときの手の振り、蜘蛛の巣にとらわれた蝶、言葉にするのが野暮なくらい印象的な場面だらけで、これぞ演出力なのだと改めてこの身にたたきつけられた。
そしてその日常からの豹変。このシーンももう神が降臨していた。屋上での不穏から、花火大会のキスからの舌噛み、レゼの表情が一気に変わり、この魔性性を最大限高めてくれる。初めて登場するレゼという女性に、最初の40分?ぐらいでここまで魅了されるかと。キャラの魅力をこの短時間でここまで高めてくれるのは並大抵のことじゃないぞと。脚本力に最高の演出力が合わさったからこそ為せた技。
そしてここからは一転してハチャメチャなバトル。ここまで静かに描いてきたからこそ、この戦闘シーンが最大限に映えるんよな。作画というのはこの緩急が大事なんだと改めて感じたね。比べるのはダメかもだけど、鬼滅の刃のアニメーションが魅力的に感じないのは、この緩急が無いから。ずっとすごいんじゃなくて、温度差で魅せる。それが大事。ここからは回想シーンなど余分なものは無く、ひたすら画面が忙しい戦闘シーン、と思ったら、その中でも指パッチンで画面を止めて際立たせるなど、素晴らしいジェットコースターだった。これがちょっと長すぎたのはこの映画唯一の汚点だが、圧巻の出来と言わざるを得ないド迫力バトルでした。
そしてレゼの最期。なぜ最初に会ったときに殺さなかったのか。この余韻は間違いなく名作を見た後の余韻(正直最後のパワーでその余韻は壊されたけど、まあそこはご愛嬌)。これ以上好きになれるキャラが今後この作品で現れないだろうと思うくらい、レゼという少女の魅力を最大限以上に描いてくれた傑作でしたね。
「俺が知り合うおんながさあ!!全員オレん事殺そうとしてんだけど!!」といったセリフの良さや、印象に刻み込む場面演出など、もう挙げたらきりがないぐらい褒めるとこしかない。チェンソーマンの魅力を初めて知れたと言っていいぐらい、素晴らしい作品でした。これを映画で一気にやってくれたのは英断だね。最高の映画をありがとうございました。