正直嫌いじゃないですこの作品。自分のやりたいことをここまでもかと貫いていて、その信念にあっぱれを与えたいです。無限ガチャというチート要素で都合のよい盲目従者を携えてハーレム、陰キャが考えた痛いセリフ、「昔虐められてたけど、強大な力を手に入れて復讐する」というそもそもかなり痛々しい設定、これらを冷笑することは簡単にできるであろう。ただ、復讐と言いながらなあなあに終わらせる昨今の有象無象とは違い、今作は復讐を話の根幹に置き容赦なく叩きのめしており、その爽快感はすごく良かったです。敵も残虐非道でまごうことなき悪だし、命乞いシーンもかなり力入ってるし、やれやれチートシーンもここまで突き抜けると清々しい。作者の痛い妄想と言ってしまえばそこで終わりだが、復讐劇をこれでもかとド真ん中のものを描いてくれた。直球ど真ん中ストレートしか無くても、それを極めたら個性になるというのが分かりました。そこらのなろうと違って、残虐シーンをちゃんとしていたのも良い。
ということで、突如付与されたチートスキルでの無双、都合の良すぎる主人公盲目好き好き従者によるハーレム、恥ずかしくなるような痛いセリフ。ダメな要素がたくさん詰まっており、減点しようと思えばいくらでもできる。ただ、そのテンプレを極めることでむしろ個性に昇華していたこの作品を正直褒めてあげたい。間違いなく記憶には残る作品になりました。正直良かったです。