終わってみれば今期で一番好きになった作品だった
いくつも好きなところがあるけど、一つには絞れないのでいくつか列挙してみようと思う
まず、「学び」というものがこんなに壮大で面白いものなんだ、ということを改めて実感させてくれたのがすごく自分にとって好みだった
自分が中学生時代に受けた理科の地学分野の勉強だと、「岩石の中には堆積岩や火成岩といった種類があり〜、火成岩の中にも火山岩と深成岩という分類があり〜、とりあえず覚えてしまいましょう」みたいな感じだった
テストで点をとるためにとりあえず暗記しようと頑張ってはいたものの、同時に「岩石の分類なんて覚えてどうなるんだ…?」「マグマ由来の岩石と土砂や生物由来の岩石…でもそれを分類することにどういう意味があるんだろう?」という疑問も同時に持っていた
中学生時代の自分は結局最後までその疑問が解消されないまま卒業してしまったように思う
それが本作では、鉱石といった、身近でもありまた深遠でもある世界を題材に、物事の背景に一体どういう力学が働いているか、その結果としてどういう現象が起こるのか、そういった自然現象の背後にある理屈や理論を紐解いていくことで、当然のようにそこに存在しているもの(この作品でいえば石)も多大な歴史と現象の産物なのだ、ということを教えてくれた
知識というのはただ物事を覚えるだけというものではなく、そこに背景となる理論があることをしっかり把握すれば、点でしかなかった知識も線となり、有機的に結びついてどこまでも世界の深淵さを実感させてくれるということが改めて実感できた
また、一つ目に書いたこととも共通することではあるけど、なんと言ってもこの作品は「ロマン」を実感させてくれた
綺麗な鉱石というのはそれだけで魅力的だと思うけど、それだけでなく、その鉱石が現在の形状をしているのや産地が現在の位置にあるのは、悠久の時の中で奇跡的に生成された産物であり、地球の長い歴史と自然の神秘とが混ざりあってできたかけがえのないものだ、という壮大なスケールでの話が俺の心を打った
また、自然の神秘だけでなく、人工物からもその歴史を読み取り、人と人とが時空を超えて繋がることができるというのもまた大きなロマンだった
また、キャラクターも全員魅力的で、可愛くて表情がコロコロ変わる瑠璃ちゃんは見ていて飽きなかったし、何より凪-瑠璃、伊万里-硝子で信頼のパイプができていて、そこの関係性という観点でも個人的には魅力が大きかった
瑠璃ちゃんに若干舐められてた伊万里さんが、硝子ちゃんの登場で先達の役割を担うようになってからは、完全に主要キャラにそれぞれのスポットが当たるようになり、全員がキャラ立ちしていたように思う
作画や音楽に関しても非常に高品質で、ただ本作のキャラデザは女性キャラがちょっと性的に強調されすぎてるきらいがあるけど…笑、そこに目を瞑れば万人に薦めたいレベルの名作だと思った