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とても良い

こよみによって書き上げられた劇の脚本。こよみは燈子の本性も関係性も知らないはずなのに、恐ろしいほどそれぞれが隠した部分に突き刺さるようなもの
主人公の周囲の人間関係は燈子のそれを意識したものになっているが、こよみは燈子を劇の主人公に反映するにあたって誰からも好かれる燈子の裏を劇中人物に模索させる構成にした。
その為か、現実で燈子の周囲の人間が燈子へ向けるイメージとかなり合致している。燈子と沙弥香が恋仲であるイメージはこよみがしっくり来ているだけでなく、燈子を意識し始めた侑ですら「一番納得」するもの。
侑が看護師役なのは侑の元々の流されやすいが面倒見の良い性格が反映されてのものか

今回は脚本だけでなく、それぞれが相手や自分に抱くイメージ像が交錯するような展開が目立つね
侑は燈子の隣りに居ても彼女を好きにならない自分を演じるために少し距離を取る。それを見て燈子はやりすぎたのかとイメージと乖離した侑の反応に驚く
沙弥香は恋人役に選ばれ、それを燈子がどう思っているのかと気にし更にこよみがどこまで知っているのかと危惧してしまう。
侑は合宿で切るパジャマに迷う。それは燈子からどう見られるのかとイメージして、けれどどう見られたいかがはっきりしていないから
都は燈子の愚痴を言う侑から何かイメージするような表情をするがそれを口にすることはなく、優しい表情で下がる
菜月はソフトボール時代の侑へのイメージから、燈子に文句を垂れる侑が変わったと感じる。
燈子の父は燈子が劇をすることを無理をしていると考えるが、燈子はやりたくてやっているのだと考える
自分についてイメージするのは他人からどう見られたいか考えてしまうからで、他人についてイメージするのは相手を理解したいから

ラストの電話シーンで燈子が侑と話して安心するのは、侑が自分のイメージに合った反応を返し又自分も特別ではない自分のイメージで言葉を返せるからだ。対して侑がざわざわしてしまうのは燈子が自分に向けるイメージと侑自身が一致せず、又侑が燈子へ向けるイメージが形にならないままだから
作中何度か描かれた泡の表現。どちらも燈子に対して侑の心が揺れた瞬間に描かれたもの。もしかして燈子への恋心が形になろうとして、なれずに終わったイメージなのかな?



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