少年のナランチャがギャングとして迎え入れられ、更にはフーゴが勉強の面倒を見ている状況がとても不思議だったのだけど、それなりの背景が有ったということか
ナランチャとホルマジオ、今回対決した二人は立場が異なる相容れない存在。視聴者からすれば味方であるナランチャを応援したくなる戦いだけど、ナランチャだけでなくホルマジオも相手の能力や戦法を推し量り必死に自分が勝利する道を探しながらあの手この手で戦う様子は平等に応援したくなるもの
けれど、見る内にホルマジオを応援する気持ちが無くなっていくのは、ホルマジオが蜘蛛を使うという視覚的嫌悪感を伴う戦法を用いた点の他に両者の信念の違いも関係しているのだろうな
ホルマジオの目的は麻薬によって得られる大金。判り易い金欲
それに対してナランチャはずっとまっすぐな想いを持っている。父親への反発、兄貴と慕っていた人物の裏切りによって他人を頼らなくなっていたナランチャ。そんな自分に対しフーゴは救いの手を差し伸べ、ブチャラティは真摯に怒ってくれた。それに感銘を受けたゆえにナランチャは仲間との約束を守ろうとするし、彼らの居場所を話すなんて裏切り行為はしない
その想いは彼の中でとても強く持っているものであり、ときに物事の優先順位さえ捻じ曲げてしまう
仲間の居場所を知ってしまったホルマジオを倒すために周囲の車を炎上させる手法はどう考えてもやりすぎだし、戦いが終わった後に彼が気にしていたのは暗殺チームに襲われたことではなくて買い物に失敗してしまったことだった
見ているこちらからすれば、ずれているとしか思えない判断だけど、彼の信念には一切反していない行動なのだろうな
ナランチャの信条がよく判るだけではなく、これからの暗殺チームとの戦闘模様がどのように描かれるのか楽しみになるような回だった