眼の前の光景から得られる情報がどうにも擦り合わない回
どろろ達は花嫁行列を目撃する。通常ならば目出度いはずの行列は誰も嬉しそうではない。実際は花嫁を送るための行列ではなく生贄を届けるための行列だから
その生贄だって間違いが潜む。村人は残され雲を天災のように捉え、生贄をやれば大人しくなると考える。実際は天災ではなく生物なのだから腹が減って一定期間ごとに暴れているだけ
お梅は手を縛られ悲しげな表情。だから無理やり花嫁にされている、助けるべきだと考えてしまうが実際は本人が望んだこと。助けにいったさるが逆に鬼神から庇われてしまう事態に
さるという少年も見た目と実情が擦り合わない。彼はどう見ても人間だけど、その育ち方によって村人から人間扱いされない、仲間に入れて貰えない。本人もその状態を受け入れ動物のように生きるしか無かった
お梅はそんなさるの名前を聞いて笑ってしまう。見た目とさるという名前のイメージが擦り合わないからだね
一方のさるもお梅に対し見た目から母親のようなイメージを得る。けれど、さるには別に両親が居るし、年も親子ほど離れているわけではない。だからさるは自分に優しくしてくれるお梅を別の呼び方、「姉ちゃん」と呼ぶ
これまで百鬼丸は妖怪の魂を見ることで、敵の居場所を探り倒してきた。それがこの回は役に立たないどころか、逆作用してしまう。目が見えないなりに見えていた物が見えなくなってしまう。百鬼丸は敵が何処にいるのか、どのような敵か理解できない
それへの対策として百鬼丸は音を利用する。矢を当てた際の音を聞くことで見えない敵の光景をイメージと擦り合わせようとする。それを理解したどろろも大百足に飛びつき声を発して百鬼丸の見えない光景を一致させようとする
その後、百鬼丸が声を発したのも気絶して周囲が見えなくなっているどろろの目を覚まし、自身が持つ光景とどろろからの光景をリンクさせるためか。どろろが声を発し、百鬼丸がそれ目掛けて斬りつける。立派な連携
そういえば、百鬼丸とどろろが協力して鬼神を倒したのはこれが初めてだっけ
大百足を倒して鼻を取り戻した百鬼丸。ここに来てようやくどろろが何を臭がっていたか彼は理解する。二人が共有できる物が少しずつ増えてきたようで
そして、ラストにはどろろの名前を初めて呼ぶ。これからの二人の旅が楽しみになるような終わり方だったね