Annictサポーターになると広告を非表示にできます。
良い

ラストに飛んでもなく不穏なものが登場したんですけど……

自分の故郷、家族を見つけたというのに追い出され命を狙われるに至った百鬼丸。変わらず妖怪を倒し続けているようだけど、鬼神を全て倒した先に何があるか知ってしまった彼は、鬼神を倒す行為についてどう捉えているのだろう?
先の見えぬ何かを求め続ける百鬼丸。それはこの回、全体に言えることのように思えた

どろろは母の顔をしたおかかに母性を求めてしまう。母の死を目撃したどろろが本気でおかかを母親だと考えていたとは思えないが、おかかだから「おっかちゃん」だと呼び、まるで母に甘えるかのように抱きついてしまう様は驚き
加護を無くした百鬼丸に変わりの加護を授ける立場として、時には百鬼丸の母親のようにすら見えるどろろが母のぬくもりを求めていたことが判る描写

おかかと名乗り、数多の顔を削った仏師
元々は菩薩を彫る人だったのに、自分の作品を見られなくなった為に世が求める不動を彫ることに。けれど満足行く出来にならぬまま無念の死、更には妖怪化してしまう。
最初は皆を見返したい、つまりは自分の彫る仏像をもう一度見て欲しいという欲求から始まったはずなのに、誰かが満足してくれそうな素晴らしい不動を彫ることが目的になってしまった。でも、穏やかな菩薩を掘ってきた人が自分の満足いく不動を彫るなんて出来るわけがない
そんな先の見えない作業なんて終わるわけがない

そもそもこの人物って元々が心根の優しい人だったのだろうなと思う
穏やかな顔をした菩薩を彫ることが出来た点に加え、どろろを眠らせた際のどろろの頭を優しく撫でゆっくりと床に下ろす描写、死の間際にどろろの微笑みを求めた行為。
誰も見たことのない不動を彫るなんて途方も無い作業の果てに、仏師は自分を見失い、目的を見失い、その優しさすら失っていたのだろうね
そんな仏師に対してどろろの仏のような微笑みは彼を冥土へ導く役割を担ってくれたのかな、なんて考えてしまった

百鬼丸とどろろの先の見えない苦難の旅路。その中でどろろの背中にある地図は彼等を何処へ辿り着かせようとするのだろうか?



Loading...