今回はボスの過去話から現代へ。字幕によって現代へ描写が移ったと示されるが、ドッピオの姿が変わらないまま時間軸が移動するためにまるで視聴者がキング・クリムゾンの能力を食らってしまったかのような錯覚に陥る構成は素晴らしい
ドッピオは生まれは特殊であっても、その後の育ち方についてはごくごく平凡と言った印象。臆病で鈍臭く、それでいて女性を誘う勇気はある。また将来は船乗りになりたいという夢を持っている。
これだけなら彼が将来ギャングのボスになるなんて想像することは難しい
けれど、後に占い師が指摘するようにドッピオには二面性がある
平穏な家の床下に母親を隠し生き長らえさせるという狂気が秘められているし、彼女との楽しい思い出の場所はボスの過去へと至る致命的な手がかりと変わってしまう。蛙や虫の命を慈しむ心を持っているが、一方で自分の秘密を守るために養父や占い師を躊躇なく殺す薄情さも持っている
ただし、この二面性は完全に分かたれたものではないのも確かなこと
リゾットを前にしてドッピオは普通の少年のように怯え、一方的に攻撃を受ける。それは見るからに無害で弱い少年だが、その最中でもボスが守らなければいけない写真を巧妙に隠す狡猾さを持っている
また、現代のドッピオの中にはボスが潜んでいるようだが、そのボスとリンクするために使われる電話の音はドッピオ自身が発している。
一癖も二癖もありそうだが同時に弱いドッピオが暗殺チームのリーダーであるリゾットに対してどのように戦うのか、次回は見ものだね