グリシャによって齎された真実、しかしそれは公表すれば民衆に大混乱が生じるのは必至。それでもヒストリアは真実の開示を選んだのだね
ヒストリアの強い決意を感じさせた
今回はヒストリアのように真実の開示を選ぶ者が何人も見られた
新聞記者は兵団が真実を開示したことを称賛すると共に、自分の胸の内の不安を打ち明ける。それは内心の開示であると同時に兵団のみならず民衆が抱えている不安を代弁するようなもの
マルロの死を哀しむヒッチに対してフロックはマルロの勇敢さを話すが、それだけに終わらずマルロが死の直前に抱えたであろう後悔の念も開示する。ジャンはそれを責めるが、この回においては「誰かが本当のことを言うべきだろ」というフロックの方が正しい
更にフロックは兵団の心の声を代弁するかのごとく、アルミンではなく団長が生きるべきだったと言う。エレンは内心で自分が正しいと思っているのだろうと指摘する。最後に誰もが思っている「団長無しでどうやっていくのか?」という不安感を開示する。
フロックは勇敢な兵士ではないけれど、それだけに弱者の心をよく理解した言葉を話しているね
だから心が弱い人間のアルミンもそれに同調してしまう
落ち込むアルミンに対して、エレンは海の向こう側にある可能性を示して元気づけようとする。情報が確定しない可能性であれば、それを夢見ることが出来る。かつてのエレンとアルミンはそうやって辛い世界を生きていたのだろうね。けれど、エレンはグリシャの記憶を通じて海の向こう側を知ってしまった。エレンの中に可能性はなく確定した情報しかない
その心境は辛いはずだけどエレンはその想いを開示しない。皆、真実や胸の内を明かす中、エレンだけは明かそうとしない
ヒストリアを使えば巨神を操れる可能性があることを明かさないし、ヒストリアに触れて得た激情も明かさない。動けない巨人を「俺達の同朋」と呼び、殺さないと決めた心の内も明かさない
ウォール・マリアから巨人を駆逐し、遂に調査兵団は海まで辿り着いた。そこでの皆のはしゃぐ姿はとても楽しそうで束縛からの開放、自由への到達、願いの成就などを感じさせるのだけど、エレンだけ全く別の表情。
思えばこの頃からエレンと皆のすれ違いは始まってしまったのだろうな……
と、感じせた所で3期は終了。来年秋に最後までやるのね。