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とても良い

もう一巻の終わりだ、という場面で現れる柱の頼もしさが素晴らしい
しのぶは謎めいた可憐さを持って瀕死の善逸のもとに降り立つし、冨岡は炭治郎と伊之助が苦戦した父蜘蛛を瞬殺してしまう。これほどまでの魅力を持っているなら、たしかにもっと早く登場してくれよと言いたくなるかもね

お婆さんの言葉、炭治郎の行動に影響されて少しずつ鬼殺隊士としての振る舞いを手に入れていた伊之助。それは確かに成長と呼べるものであるけれど、同時に外からの影響で急激に作り上げられたものでも有るから、伊之助の振る舞いとしてそのまま合うわけではない
敵を前にして考えて戦うなんて振る舞いは伊之助には似合わない。戦いの中で伊之助は「考える俺なんて俺じゃない」と自分を取り戻し、その上に炭治郎やお婆さんから掛けられた言葉を重ねていく。嘴平伊之助という人間に相応しい鬼殺隊士としての振る舞いを手に入れる。
脱皮して更に凶悪になった父蜘蛛から逃げずに立ち向かった彼の姿はとても格好いいね

一方で那田蜘蛛山の歪さを煮詰めたような鬼、累が炭治郎の前に姿を表す
那田蜘蛛山で登場した鬼は、鬼でありながら集団で存在し更に家族として振る舞っていた。母蜘蛛は子供達を守るように強要されていたし、父蜘蛛はひたすら「俺の家族に近づくな!」ばかりを繰り返す。これらの振る舞いは鬼として歪なもの。
そして、今回の描写からそういった「家族」としての振る舞いに最も拘っていたのは累であると判る

累は仲間という繋がりを薄っぺらいと馬鹿にし、自分たちは家族だから強い絆で結ばれていると主張する
けれど、そんな主張は間違っていることは明らか。特に長男として守るべき家族を持っていた炭治郎からすれば、姉の顔に平然と傷をつける累の振る舞いは「家族」として認められない。累が主張する絆など存在しない紛い物だと切り捨てる

炭治郎に言葉を取り消せと迫る累、決して取り消さないと譲らない炭治郎の戦い。二人の抱えた矜持がぶつかる戦い。その中で突然折れてしまった刀は炭治郎の力が負けていると意味するのか、それとも炭治郎の主張が負けた事を意味するのか。
次回のあれやこれやがどのように描写されるのか楽しみだ



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