原作の良い部分を存分に伸ばした結果、作品の魅力が大幅に増した印象。何よりも子供らしさに溢れるソマリの姿が愛らしいのもグッド
1話を見てアニメ化は大成功だと思える作品ってなかなか無い
普通、異形といえば人間に対しての人外が相当するけど、本作に於いて人外に対する人間が異形に相当してしまう。だからソマリは人外に扮し正体を隠している
異形が異物として認識されればそれこそ話に出たように市場に並ぶ羽目になる
一方でゴーレムもあの街においては異物として存在する
森の守り人である筈が子供を連れて旅をし、食堂に入っても何も食べず、商人に騙されず真贋を言い当ててしまう姿は普通の有り様から浮いている
また、感情豊かなソマリの傍にいるからこそ、彼の無機質さもはっきりとした異物感を伝えてくる
異物であるかどうかは見て判ってしまうもの。かつての人間が人外を許容できなかったのも同じ理由
だから、ソマリが同じ目に合わないようにするには見た目を変えて異物であると詐称するしか無い
ゴーレムはソマリの安全を確保する為に手を繋いだ。それは奇しくもソマリが望んだ親子の風景であり、その光景が擬似的に彼らを呼び方だけでなく見た目からも親子であると認識される一歩となるのは面白い
穏やかで平和だけど、弱者である人間にとっては危険に溢れる世界でゴーレムと人間という異物同士の偽物親子がどのような旅をすることになるのか。
本作の道行きを楽しみにしつつ次週を待ちたくなる