交渉材料を持っていなくてもスバルの傍にはレムが居た。それが狂気に堕ち、怠惰になっていたスバルに戦う意志を再び灯させ、交渉の席に向かわせた
だというのに突然襲い来る白鯨にレムの存在ごと奪われてしまう容赦のなさ……
こうなっては元々何の情報材料もテーブルに揃えていなかったスバルに誰かを信じさせる言葉なんて言えるわけがない
ラムだって信じないし、エミリアだってスバルの言葉を理解できない
何故なら、スバルの言葉には最早中身など無くなっているのだから
ならばとスバルはなけなしの切り札を切ろうとしたわけだけど……
魔女からしたら今のスバルから奪うものなんてない。だからエミリアの命を奪うということか……
何処までも容赦ないな、この作品
エミリアの死体を抱えるスバルの前に現れたペテルギウスに怒れるパック
彼らの登場はスバルに何か必要な材料を与えるものになるのか、それとも最後に残った命すら奪うものになるのか……