相手を判りたい、相手に判って貰いたい。そういった欲求が入り混じり崩壊寸前まで至った奉仕部
彼らが様々な葛藤の果てに見出した雪乃の依頼。それがこの完結編に拠ってどの様に描かれるのか興味深い
交わし合う言葉が少なすぎた為にすれ違いが生じた奉仕部。それを取り戻すかのように自身の内面や願いを正直に口にした雪乃
彼らは詰まる所他人だから判り合うためにはとことん言葉にしなければならない。
雪乃の独白はこれまでの彼女を考えればかなりの勇気と覚悟を必要とするものであり、彼女が無事に全て話し終えたことには労いの言葉をかけたくなってしまう
他人なら多くの言葉を用いないと判り合えない。けれど、家族や兄弟であれば他人よりも少ない言葉で判り合うことも出来る
陽乃は酔った状態でも雪乃の顔を見て彼女の決意を察した
沙希はその場に居ない弟の心情を比企谷の言葉から察した
でも、それらの組み合わせよりも兄の内心を深く察しているのが小町だね
比企谷は捻くれた言動から相手をイラッとさせる事がしばしばあるのだけど、小町相手では相手を立てる言葉だったり縋るような発言をするせいか気持ちいい遣り取りとなる。比企谷は小町となら打てば響く遣り取りが出来る
それはきっと小町が比企谷の内面を深く理解してくれているからだね
巫山戯た態度でも判り合える二人なのだけど、そんな関係でも小町は感謝を述べる際にはやや大げさとも言えるポーズを採った
それは伝えたい想いの大きさが、判り合えるから伝わると言う程度ではなく、改め過ぎた姿勢であってもそれによって最大級の感謝を伝えたいと思ったのだろうね
その判り過ぎてしまう言葉は比企谷に涙を浮かばせ、小町も鼻声にさせる
比企谷と小町、二人の兄妹愛は麗しいね
それはそれとしてですね、比企谷の「愛してるぜ川崎ー!」発言によって荒れ狂う沙希の内面描写をもっと描いてもいいのですよ……?