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とても良い

由希の経歴や内面をこれまでより深く掘り下げる回
この回では過去の由希がどれだけ苦しい立場にあったのか、その中で出会った透にどれだけ救われたかを描いているね
いわばこの回はラストの一言を絞り出す為に由希の人生を見直す回だったと捉えることができるのかな

神様に最も近い鼠である由希は生まれながらに特別な存在
それが慊人の捻じれと周囲の光景によって特別が孤独に変わっていき、不要とされ、遂には嫌われ者との烙印を押されてしまった由希
どれも外から押し付けられた価値観ばかりだけど、あまりに強い力で押し潰すものだから逆らうことが出来なくなる

親にも十二支にも顧みられることはなく、
自分を恨んでいた夾はいつの間にか十二支に囲まれて、
友達も自分の油断から失い、
ただひたすら慊人から呪いの言葉をかけられる日々
それらは一人の少年が受け止めることなどできない絶望

だからこそ、そんな日々から走り出した夜の中で自分に付いてくる透を通して自分の周囲にあるのは暗闇だけじゃないと信じる事ができたのだろうね
あの時の透は由希が十二支だから特別としたのではなく、ただ自分の前に現れたから付いて行った
その行為に深い意味なんて無いだろうから、むしろ由希を救ってくれる
閉じかけていた由希の価値観を開くには充分すぎる出来事

だから、由希にとって透という存在は究極的には恋愛対象にはならないんだよね
救われてしまったから、弱くなった自分の傍に変わらず居てくれたから
由希にとって透はどうしようもないほど甘えたくなる対象となる訳で。
ようやく絞り出した「痛い事」、これにて由希は自分の想いに一区切り付けたことになるのかな



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