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とても良い

失ったもの、取り戻したいもの、それは何だったのか問われるレオとフェンリルの決闘。それはきっと己を振り絞る中でしか見つけられないものだから、対等な条件で死力を尽くし邪魔を入れずに闘う
王位という立場を求め始まった筈の決闘は単純で原始的な願望へと集約したような

優位な立場を捨て対等にレオと闘うフェンリル。それは誇りだとかレオに屈辱を味合わせたい等ではなく、失ったものを取り戻す為か
かつての自分は対等な力比べで負けた。その時に失ったものを取り戻そうとするなら有利な立場で勝っても意味はない
この段に来て、フェンリルは取り戻す事と勝つ事が同じ意味を持つようになる

だから強さを否定する弱い王様であるレオは一度は負けそうになる
その彼に力を与えるのはやはりサリフィだね。彼が失いたくないもの、取り戻したいもの。その頂上に有るのはサリフィ
愛する者の為に立ち上がるレオの覚悟は誰にでもある原始的な闘争本能。それは復讐に生涯を捧げたフェンリルに匹敵するもの

そして、最期に己の命を与えたフェンリルの意図を考えると…
奪われた為に何も持たなかったフェンリルとニル。けれど、それでも二人が二人として生きてきたなら持ち続けた何かは有る筈で
国の王には成れなかったフェンリル。それでも最初から最期までニルの王様である点は決して変わらない事実だったんだろうなぁ……



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