クリスマスになっても子供を家に帰してくれないカレッジはまるで茨で囲った城のよう
生徒の自由は制限され。安全に守られているとも言い難い。元から不安定な者がより不安定になるのも当然
生徒達が不安定さの中で楽しめる筈だったクリスマスがフィロメラにとって限界に達する日となるのはなんて皮肉だろうね
チセが作ったルーンは茨を象ったもの。茨はエリアスを意味する物であるし、同時に茨の加護により友人達を守りたいとの想いが籠められている
けれど渡されたフィロメラは全く違う対応、ルーンをお守りでなく糧としてしまう
孤独と苦しみを深め、茨のように様々な呪いに囚われた彼女に助けなんて存在しない
それでもフィロメラが楽になる道があったとすれば、それは自身を茨としてしまう事だったんだろうなぁ…。触れるだけで誰かを傷つける存在
ヴェロニカとリアン、他の学生に棘を向けた彼女。これまでの苦しみが嘘のようにすっきりした雰囲気で親を求める彼女の姿があまりにもおぞましい
だからこそチセとエリアスが彼女を茨の中から助け出してくれやしないかと願ってしまうが…