異形の姿となり人から外れてしまったフィロメラの望みは人間的ではない。襲撃者となってしまった彼女が行ったのは魔力の簒奪
それはカレッジと真っ向から対立するものだから学院長が救うべき生徒の枠からも外れる
本来ならチセにもどうにも出来ない事態。でもチセも生徒の理から外れる事でフィロメラを助ける道へと繋げられたようで
カレッジにおいて魔術師であれば学院長に逆らってフィロメラを助けるなど出来ない
でも魔法使いなら、彼女にポプリを作ると約束したチセなら、学院長に従う道理は無い。それは屁理屈めいたものだけど今チセがフィロメラを助ける理由としては充分
また、ルーシー達がフィロメラを追う理由になるのは教師への反抗というこれまた生徒の規範から外れるもの
と、ここまでは詭弁めいたものだっただけにチセが見せた本物の理から外れる変貌には驚かされる。人の身でありながら地脈に潜るなんて普通じゃない
更にチセの前に現れた存在も理から外れているとビシビシ伝わってくるね。終盤に近づいた物語は一気にたがを外し始めたのかもしれない
なら、その果てでチセはフィロメラをどのような理に戻すのだろう?
襲撃者であるフィロメラが求めたのは両親。けれども覚えていない以上、それがどこまで彼女の意志なのやら
察せられるのは彼女とてズラされた人間であり、祖母の操り人形という点
だからこそフィロメラを第一に想う筈のアルキュオネが何をするかが焦点になってくる。紡がれる回想は彼女に定められた理をどのようなものとして教えてくれるのかな?