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とても良い

フィロメラを雁字搦めに縛りつけているのは呪いと捉えていた
けれど、今回の話を見る事で純粋な呪いだけでなく、愛情じみたものが混ざっている点が見えたような
かつて幼いアダムが求めたように、フィロメラもリズベスに家族愛を求めた。けれど、彼女が向けた異なる感情が結果的に呪いとなってしまったのかな

リズベスは育児を人任せにする等、母親らしかったわけではない。でも実子のアダムにそんな事情は関係ない。当然のように唯一の肉親へ愛を求めた
その姿はリズベスにとって想定外で在りつつ、何か感情を抱かせるには充分すぎるもの。きっと彼女にとってそれは歪んでいても愛情と呼べるもの
でも子にとって歪んだ愛情なんて害でしかない。アダムが出奔したのは当然の話

アダムの喪失で更に歪んだ感情は同じように愛を求めるフィロメラを傷つけるものに
元々愛情が希薄なリズベスが息子を奪った女が産んだ子を愛せる筈もない。反転した感情はフィロメラを呪いとして傷つけたわけだ
肉親から与えられた愛が無いからフィロメラは個として自立できなかった。それはフィロメラから根源的な言葉すら奪う呪い

チセ達がフィロメラの言葉を聞く為に彼女の前まで辿り着いた事実はフィロメラを揺り動かしてくれる
彼女らはサージェントの娘ではなく、フィロメラという学院の友達を助けにやって来た。なら彼女とてフィロメラという個人で言葉を話さなければならない
立場も呪いも関係なしに「助けて」と発する事が出来たフィロメラ。ようやく彼女が言葉にできた本心がとても尊いものだと感じられるラストだったよ…



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