猫猫が羅漢の弱みを知った状態で成立した勝負は羅漢にそのつもりが無くても出来レースに近い
猫猫は自分の盤面がどのような結果を生むか理解していた。その意味では眼前の盤面の意味を理解していなかった若い羅漢との対比になっているような
人の顔を判別できない羅漢にとって、きっと他人は全て等しく他人
顔が駒に見えるなら羅漢にシャンチーや碁と人に違いは無い
だとしたら盤面を通して触れ合えた鳳仙は羅漢にとって唯一の人間だったのかもしれない
また、一方の鳳仙にとっても羅漢は薄っぺらい愛を求めてこない唯一の人間だったのかもしれない
相手を唯一としていたのに、鳳仙は妓女で羅漢は武官であるが故に恋物語は成立しない
不幸だったのは盤面を変える行為をしてしまった事か
羅漢はその意味を察せず、鳳仙は伝えられなかった。擦れ違いが悲劇に至ってしまった二人にとってあの時の事など全てが今更
だとしたら、枯れても形を保つ薔薇は何の意味を持って羅漢に届けられたのだろうね