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良い

自分より格上の野禅を倒す為に力を求めに求めた迅火が辿り着いてしまった果ては人ならざる領域
正体を無くした彼は闇に成るでもなく人と闇の中間に成るでもなく筆舌に尽くし難い何かに成り果てた。野禅を上回るだけを望むべきだった力が迅火を滅ぼしてしまう構図には因果なものを感じるね

野禅は精霊転化で九尾の力を使うけれど、力に呑まれること無く人の知恵も使う。だから山の神にも対抗できる
対して迅火は知恵も力も足りないから力だけを求めた。普通の手段で到達できない境地は人を喪失させるもの
そうなった迅火が結局己自身のコントロールすら失うのはその境地が過ぎた力の証明であるように思えるよ

他方で真介は己のままで野禅を斬ってみせたね。また、人を愛するたまも闇である己を受け容れている
そんな2人が己を肯定する帰結に辿り着いた描写があるだけに、迅火の行き着いた場所は己の否定だと感じてしまう
過ぎた己ではなく有りの儘の己を肯定するたまの愛を含めた言葉が迅火に届いていない点は哀しいね…

原作を知っているからこのような展開に成る事は知っていた筈なのに、それでも道を踏み外す迅火と道を定めるたまという対比には鮮烈な印象を覚えてしまったよ
でも、これは3部構成の1部目なわけで。新たな主人公が目覚める事で始まる2部以降の話も充分に期待できる、そう思える世直し姉弟編でしたよ



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