戦争を知らぬ事で得られる無邪気さとはとても尊い感性である筈なのに、戦争の一端に触れてもそれを一切察知しない様子まで無邪気と呼んで良いのか迷う内容となっている…
初めて目にするMSに興奮を隠せないアルはMSが本来は何をするものか理解していない。それを平和と呼ぶと納得はできても受け入れ難い……
アルの視点とそれ以外で見える物が一変している内容が素晴らしいね
MSが暴れた街中を駆け回るアルにはその被害は目に映らず、それを目にしたらしい救助関係者等は膝を抱えている
アルから見れば大人の軍人であるバーニィとて部隊では新兵の如く扱われる
特にバーニィが上官を見る際の視線が直後にアルが先生を見る際にも行われているのは印象的。2人とも属する世界では大人の機嫌を伺うひよっこであると判る
だからその後の描写も何処か重なる
バーニィは死体を利用してコロニーに入り込み戦争へと近付く。アルも壊れたMSという死体に入り込んだ事で戦争に近付いてしまった
死を介して近付く世界が明るいわけはない
自分が手を伸ばしてしまった先に何が在るか全く想像できていないアルの明るい笑顔には何とも言えなくなる……