鎌倉武士の無法っぷりなんてよく聞く話では有るけれど、それを過度に体現した五大院の鬼畜所業が冒頭からインパクト凄い……
伯父ですら容易に裏切る薄情で残酷な世の中に幼い時行が立ち向かうのは難しい。それだけにぺかーと光って場を笑わせる頼重の存在が有り難い意味で貴重(笑)
高氏や伯父の裏切りは信じる者が居ないと時行に思わせるに充分過ぎる話。そもそも怪しい頼重も信じられるか…
それでも彼が生きる事で仇討ちの手始めとするなら、彼は信じられる者を見つけなければならない。そう考えると、時行にとって年が近い家来筋の狐次郎と亜也子はまだ信頼し易い相手か
見方を変えれば、誰を信じて良いかは判らなくても、信じるべきでない敵は見定められる
兄の仇討ちとして、そして天下への一歩目として五大院は丁度良い怨敵。また、五大院との戦いは狐次郎と亜也子にとっても新たな主を見定める良い機会
今回の鬼ごっこは未来への出目を占う好機
五大院との戦いは時行達の戦いを暗喩しているかのよう
五大院の強さは高氏軍の強さを、抗する時行の回避は時行方の逃げ方を。だから次第に五大院が感じた「命を狙われ続けたら?」という懸念はいずれ高氏が感じるかも知れない恐怖
この仇討ちは予行演習且つ時行が信じるべきは何かを示す機会となったかのよう
ラスト、落ちる首は五大院のものとなり、鞠が正しく落ちてきた光景。過去のものながら、平和な夢のような空間
そんな場所・時間で、時行は果たして英雄になれるかという問答に、「頑張れ!」と背を押してくれた兄・邦時の言葉には少し涙してしまったよ……
時行の厳しい旅路への贈り言葉となったね…