雪が幾つもの温もりを手にした日常や普通をぶち壊すグレイスの存在。この状況に相対するのが雪だけであれば彼女は難なくやり過ごせる
でも守るべき日常の象徴が居ると思うようにいかなくなる。一方で守るべきものが有る状況は雪にとって何を意味するのかという点が描かれた回となったかな
グレイスという脅威が現れても眼の前に居なければ添い寝シーンに代表されるように雪は様々な表情を見せる。暗殺者の存在がすぐに雪を暗殺者に戻すわけじゃない
彼女が暗殺者の顔に戻るのは人好の身に危険が迫ったから。彼女は殺す為ではなく守る為に暗殺者に戻された訳だ
そんな雪を見た筈の人好は何処か呑気というか普段通りだね
グレイスが普通じゃないと評すけど、むしろ人好の場合は普通が過ぎる普通なのか、グレイスに理解できない人柄を醸し出す。つまり今の暗殺者らしからぬ雪を形成するのに一役も二役も買っていると言える
だからグレイスは何故雪が人好を取り戻そうとするかを理解できない
暗殺者の顔に戻った雪だけど、見せる行為は暗殺ではなく救援。グレイスを殺すより人好を助ける為の技を使う
そんな贅沢な遣り口は雪の人柄を示し、そうまでされて助け出される人好の価値もしめすもの
全てを殺すのではなく、全てを欲す彼女が取り戻した彼の尊さを改めて感じられたEPでしたよ