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良い (4.4)

最終回なのに要素盛り沢山で感想に困る

花火はあの日の約束にも積み重ねた日々にも意味なんて無かったと述懐したけど、そんなこと無いのは明白。
例えば鳴海は眼鏡を辞めたことで花火は焦がれていた頃の鳴海を思い出すけど、苦しくなるほどではない。又、男子生徒からの告白に対して第一話の頃のような対応ではなく、「ごめんなさい。でもありがとう」と返したのは鳴海に告白した経験があるから。

他の面々も積み重ねた時間の意味を感じさせる描写ばかり。
自分の理想を叶えるためだけに着飾っていたモカは、麦のためではなく文化祭の小さなステージでドレスを着る
花火との絆の一つだった髪を落とした早苗も、loveは手に入らなかったけどlikeを取り戻すことが出来た。「さっぱりした!」という言葉にどれだけの意味が篭っているか想像は果てしない
ブーケトスと言っているのに一本しか渡さなかった茜、「次は取られちゃ駄目」という台詞は裏を返せば自分は「取られた無くないもの」を手に入れたということだろうね

そんな中一人だけ止まっていたのが麦。文化祭で盛り上がる時間に倉庫で寝ていたのは、要らなくなった備品と同じような存在になってしまったのかとすら想像させる。だから、麦は再び花火に向かって歩み出すことが出来ず、花火にとってもこの瞬間に麦は過去になってしまったのだろうね
それでも積み重ねた日々による成長があった花火は麦に対して「よく頑張ったね」と声をかけることが出来、それによって麦も少しは報われるんだろうな

衝撃的な展開ばかりだった本作だけど、終わり方も予想したのと大分違ったなぁ。せめて花火と麦にはもう少し幸せになってほしかったけれど、偽物の関係で始まったのだから、別の道を歩まないと本物に辿り着くことは出来ないということなのかな。何とも物悲しい



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