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とても良い (4.8)

原作と比べてかなりアレンジされている。原作ではあくまで一つのエピソードだったのが最終回として扱われたことで立ち位置が大きく変わったのか

最初はトールが居なくなった日常の描写を冗長に感じたけど、あれって小林にフラストレーションを溜めさせ終焉帝に立ち向かう切っ掛けを作るとともに、現在の小林の生活はトール無しでは成り立たない、つまりは共に暮らしていくことが出来ていた証明にもなっているのか。
段々と増えていくゴミ、思い返せばトールが来る前の小林の家もそれ程綺麗ではないし、近所付き合いもしていなかった。そう考えれば小林とトールが共に暮らし始めたことで良い方向へ変わった事があまりに多いことに気付く

玄関先での会話シーン。原作では終焉帝ってインターホン鳴らした上で人の姿で家の中に入っていたけど、よくよく考えればあの描写ってテーマ性に反していたのか?
アニメでは終焉帝は宙に浮かび、小林たちはマンションの廊下に。その際に画面手前に壁や柱が映ることでどれだけ両者に距離があるかが強調されている。ここでは終焉帝が人間社会の中でドラゴンが生きることの歪さを強調するけど、そこには両者が実際にどう考えているのかは言葉にされない。小林がトールの言葉や意志を代弁することであの親子喧嘩の展開へ行くのは、変化の順序を丁寧に描いているなと思う

喧嘩シーンでは両者の想いが言葉にされぶつかりあうけれど、今度は終焉帝とトールの間に入るのは壁や柱ではなく小林なんだよね。だから両者の乖離を小林が埋めることが出来る。そこで小林が語るのは人間の都合ではなくドラゴンにも通用する言葉だから終焉帝も理解は出来る。けど認めることは出来ないから自分が去るしかない。
トールが良い子と判っているとか愚かな娘よとか実際の終焉帝は親バカなんだろうな~って部分も小林が間に入ったからこそ出て来る想いなんだろうね

最終回だけど他のドラゴンたちの描写は少なかった。それでもそれぞれの朝のシーンは印象的。ここでファフニールやルコアが見送る側になっているのは、逆に言えば滝谷や翔太にとって彼らが居る場所が帰る家になっている、つまり共に暮らしていることの証明でもあるのかな
登場当初はそれほど人間に友好的ではなかった彼らがここまで変わった過程や心情を思うとかなり感動的。

まだまだトール達の日常を見続けたいとそう思える最終回だった



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