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良い (4.5)

衆人環視の中で倫也に話しかけたり、チョコを渡したりして詩羽も英梨々もどこか浮足立っている。これまで築いてきた周囲へのイメージや倫也との関係性と反した行動を取っているように思える。また、伊織とも喫茶店で仲良く会話(店員にも勘違いされる程)していたりして再会当初のギスギスした雰囲気は最早ない。
これは詩羽が言うように卒業するためだったり、長年の不仲から仲直りした事情が関係しているのかな。他にもゲーム制作の重圧から開放されたというのもあるかもしれないけど
そして英梨々は再びのスランプ突入。英梨々の創作意欲は倫也と同じ趣味の世界に居たい、と同時に倫也や世間を見返してやりたいという気持ちから来るものだったから、前回倫也に認められ仲直りした事でその意欲が薄れてしまったのだろうね。だから「もうちょっとゆっくりさせて」なんて言ってしまう

伊織がわざわざサークルを続けろと忠告して来たのはそれなりの意図があるんだけど、倫也はどこまで彼の忠告の意味に気付けたのかな?現状の倫也からは「cherry blessing」を無事作り上げ評価も上々だったことで燃え尽きてる印象を受けるけど。
そもそも倫也がゲーム制作を始めた動機は加藤との出会いに感動した一点にあるからなぁ。その出会いを作品化出来たことで倫也の目的って達成されてるんだよね。だからこれ以上詩羽や英梨々に負担を掛けて良いのだろうかと迷いが生じてしまう。

そんな風に悩んでいる倫也からの電話を取らずメールを返そうとしなかった加藤。それは前回言ったように許せないからなんだけど、同時に視線をやったり何度も画面を表示させてしまうのは消化しきれない、許せないだけではない部分もあるからなんだろうね
それを確認できたからこそ倫也も再び走り出すことが出来たわけで

伊織は今までの詩羽と英梨々なら勝算があったと言うし、倫也も彼女たちが居たことで傑作ができたと言う。
そんな二人が全く気づくことがなかったのが加藤の貢献。それはスクリプトの面だったり、食事を作ってくれたことだったり、倫也と一緒に何度も悩んでくれたことだったり。それらが示す加藤の気持ちを今更になって知った倫也は本当に遅かった訳だけど、だからこそ新作の企画をすぐに書き上げることが出来たのだろうね



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