よかった。
ネットでの評価が余りに低かったのでどんなもんかと思っていたけど、私の心には響いた。
大傑作だった!と言うつもりは無いけど、叩かれ過ぎではなかろか。
4歳の主人公くんちゃんが、夢か現か白昼夢にも思える世界に度々紛れ込んでは、“小さな大冒険”をするお話。
古来の風習に未だ囚われつつも、新しい価値観の創出を必要としている現代で、ファミリー・ツリーからの豊かな恩恵を受けている事を自覚し、且つ新しい家族の在り方の模索を試みる。そんなメッセージを感じた。
ひいジィジとの交流。自分の立ち位置、氏素性の自覚。妹との繋がりの確認。
その結果が自転車に乗る事へのチャレンジであったり、青いズボンを受け入れる事であったり、元気にお返事できるようになる成長に過ぎないけれど、その小さな体の内面でどんな嵐が吹き荒れ葛藤と目覚めがあるのか。少し覗かせてもらったそんな感じだった。
くんちゃんのキャラクターとしてのリアリティや好感度が取り沙汰されているようだけれども、いいも悪いもあんなもんだと思う。幼児って底抜けにお馬鹿さんかと思うと、ある時急に、束の間賢者が憑依する事もあるし。
大体、5歳位から記憶が朧げに残るようになるんだから(勿論そうじゃない人も居るだろうけど)、白昼夢に遊ぶ年齢として絶妙と思う。
蛇足
「この子の中のどこに“良心”を見出せばいいの?」と感じてしまう程の悪魔みたいな子供も存在するし、あのイヤイヤ期は不自然じゃないと思う。
兄弟をつねったり叩いたり突き飛ばしたりなんて、共感の心が芽生えていないウチは残念だけどあるよ。成長すると嘘みたいに立派な振る舞いをするようになる子供が大半だよ。(勿論、そうじゃない場合もある) (そして、自分の子供がそうだったと言う訳でもない)