おまえうまそうだな (2010)
映画2010年

おまえうまそうだな (2010)

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あらすじ

ある日、草食恐竜のマイアサウラのお母さん(原田知世)は、川に落ちていた卵を拾う。卵からかえったハートは仲間たちとは違う顔をしていた。群れのボスはハートを肉食恐竜かもしれないと考え、踏み殺そうとする。命がけでハートを助けたお母さんは群れを離れ、ハートを育てることを決意する。
お母さんの実の息子であるライトとともに、ハートはすくすくと成長していく。
お母さん、そして本当の兄弟のように仲の良いハートとライト、三人家族の幸せな生活はいつまでも続くかのように思われた。
そんなときハートは草原で卵を発見する。ハートが卵に近寄ると、卵から草食恐竜のアンキロサウルスの赤ちゃんが転げ出てきた。美味しそうな赤ちゃんを見て、ハート言う。
「おまえうまそうだな」

引用元: http://www.happinet-p.com/jp3/special2/1012_1_omae/index.html

感想

全体
とても良い
映像
良い
キャラクター
良い
ストーリー
とても良い
音楽
良い

異種間ドラマとして設定の活かし方が絶妙すぎる。
高所から見下ろすカットが印象的。

表面的には種を超えた親子の感動ドラマのように見えるが、
その奥には「命の尊さ」と「命を扱う難しさ」が内包された物語だと感じた。

この映画を見て実際に起きた事件を思い出した。
動物の愛護活動を行っていた人が、自身の管理能力を超えた動物を受け入れた結果、
多頭飼育崩壊を引き起こし、衛生環境の悪化や異臭問題で周囲とトラブルになった事件だ。

この事件と、母竜が卵を拾い育てる姿が重なって見えてしまった。
なにも母竜が安易に卵を拾ったことを批判したいのではない。
救える命があるのならば救いたい、という感情は至極真っ当だし、素晴らしいことだと思う。
しかし、命という重みが、さまざまなバランスを崩し、押しつぶしてしまう。
作中でハートは不気味がられ、殺されそうになり、最終的に捨てられることになる。
結局、母竜は群から離れて暮らすことを選択するが、これこそ命の重みゆえの結果なのではないだろうか。

なにが正しく、なにが悪いかという問題ではないのだろう。
それは終盤の母竜とバクーの対話にもよく表れていた。

肉を食わないと生きていけないハートをどうするつもりだったか尋ねられた母竜は、
たとえ自分が食べられても、ハートに生きてほしかったと訴える。
しかし、もしそうなればハートは母親を食い殺した苦しみを一生背負っていくことになる。
かといって、母竜が育てなければハートは生きることさえできなかった。

この母竜とバクーの対話に、誰もが納得できる「正しい答え」を出せる人がいるだろうか。
正解がないからこそ、命を扱うことは難しく、そして尊いのだと思わされた。

多頭飼育崩壊の例に限らず、命に関わる問題に直面することは現実にもあるだろう。
そのとき、自分はどうすべきなのか。
そんな問いを投げかけられた作品のように感じた。

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