島の真実を知って以来、戦い続けてきた少年少女達の嘘みたいに幸せで嘘みたいに平和な、でも嘘偽り無い日々のお話
この後の時系列でサヨナラした人物が元気に生きている光景を見られるだけでも貴重なのに、それをにこやな笑顔を伴って描いてくれる本作は確かに平和なお話だったのだと思える
本作で描かれたのは一騎達がパイロットではない別の道を模索するまでの物語
唐突に平和が壊され戦場に放り込まれた彼らにとって、今更別の道を自ら模索するなんて難しい話。かといって無闇に戦い続けるのは間違いであると示すのが一騎の生存限界だね
平和は永久に続いて欲しいと願うものだが平和に身を置く自らが有限なら命の使い方を考えずに居られない
でも、そんな事は島にいる誰もが考えてる事かもしれなくて
だから誰もが己の役目に生き急ぐ。それは時に遠見のように無謀な振る舞いとして諍いの元になる
それを別角度から見られるのがカノンだね
一騎達とは逆で、戦場から平和に放り込まれたカノンにとって命の使い方とは明日を生きる事。損なう為ではなく保つ為に命で在り続ける
カノンが竜宮島で平和を知ったように一騎達も彼女から平和を知る
命を保てれば、ファフナーに囚われていた少年少女が別々の道を選んでも平和なままで居られるのかもしれない
このEPを見て穏やかな気持ちになった部分が有りつつも、幾人かの人物についてこれから訪れる悲劇を知っているだけに微妙な気持ちにもなりつつ……
それでも悲劇の彼方に置き忘れてしまった彼ら彼女らの笑顔や平和を再び見られた事には大きな意味が有ったように思えるよ
平和なスピンオフ、というか一騎たちが「平和」な時間へ戻っていくための話だった。
エグゾダス序盤で見たあの景色、あそこへ行くにもそれぞれ覚悟が必要だったんだな……
確かにそこには平和な時間があった。
でも、いずれいなくなってしまう人たちの笑顔が、未来のことを考えると切なくて。
史彦と千鶴のやり取り、一騎とカノン、そして一騎と総士も。
総士はあの生真面目さから来るとぼけた感じが存分に発揮されていて、ほっこり。
ビヨンドの総士もいいけど、やはりクールで生真面目な総士が好きだな。
そしてやはり、カノンがなあ……
彼女だからこそ、一騎に生きるという選択肢を選ばせることができた。
でも、一騎が存在し続けられた未来に彼女はもう……
カノンが一騎を説得するシーンは、とても胸に迫った。
欠けたピースを埋める話にもなっていたし、彼らの平和な日常を見たいという欲求にも応えられる、よい話だった。
幸福と切なさの混じるファフナー!いいじゃないかいいじゃないか。こんな過去もあった…。